手からこぼれ落ちる砂のように | 2024/01/30
また、波に乗れなかった。
この感覚は小さい頃からずっと抱いている感覚である。普通の人間として暮らせるのだったら、どれだけ楽だったのだろうか。
今にも手が届きそうで届かない。私は持つことさえ許されないのだろうと思う事柄ばかり。目の前で、溢れ落ちていく。手で掬った、さらさらと乾いた砂が指の間からするするとこぼれ落ちているかの様に。
人が思うセオリー、人の思う“普通”という枠のなかで生きられるのは、どれだけ安心できるのだろうか。「適齢期」とかいうレールに乗れることができたら、どれだけ楽なんだろう。こんなことばかり考えてしまう自分や、感じてしまう自分にがっかりする。
大切な友人が新しい歩みを始めるという連絡が来て、驚いてしまった。通知をすぐには開けれずにいた。
私はまた大きな波を目の前にひとり、波に乗れなくなってしまった。時間が止まってしまったような感覚になった。私はいつまでこんなことを繰り返しているのだろう。と一瞬、私の頭の中を駆け巡る。
一方で、保留にしていた関係をまたひとつ、手放すことになった。こうして目に見える形で手放すことになって、少しくらっているけれど、そういう1年になるのだと年初めから腹を括っていたから、すこし晴れやかに笑っていられそう。
私も前に進もう。有難いと思って過ごそう。
変わった人間なりに、違う人間なりにも、この世の中で生きてやろうじゃないか。
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