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面倒くさくて仕方ないことをどうせやるなら、納得できるものをつくっていこう。

はじめまして、mount inc. のイムです。

簡単に自己紹介を。

私は、2023年3月末で15周年となる、ウェブサイトの企画制作会社をしている mount inc. ( https://mount.jp ) の代表を勤めているものです。

この仕事をはじめたのが2000年くらいですから、キャリアは22年くらいになり振り返ってみるとあっという間とは言えないものの、ここまでやってこれたか、えらいぞっていうのが自分への評価です。

勉強したくない、仕事もしたくない、できれば楽に何もせずに暮らしたい怠け者。

小学校を進学してから大学を卒業するまで、朝はとにかく眠くて起きることが大の苦手でした。それは今も変わらずで、予定開始時刻から逆算してぎりぎりの睡眠時間を狙うくらい、だらだらしたい人間です。

そんな私が大学時代、「Web年鑑」というアワードの年鑑を通してウェブデザインというものに出会いました。

その世界は、カルチャーというものにまったく無興味だった自分にとっては、とってもキラキラしたものでした。どうしたらこんなかっこいいものがつくれるんだろうか、どうしたらこんなものをつくれる集団に入れるんだろうかって想いが湧き上がり、寝食を忘れて自分のサイトをつくったりしていたものです。

念願の会社に入って言い訳をつくり仕事から逃げ、お金が底をつく。

運良く当時のキラ星のような先輩たちがたくさんいた、「ビジネスアーキテクツ」という会社にHTMLコーダーとしてアルバイト入社。そのうちチャンスを得てアートディレクターになり、いろんな悩みのスパイラルに陥り、フリーランスになります。

勉強するって意気込んでやめてみたものの、ただただダラダラしていた時期が続きお金が底をつきます。悩むにしてもお金を稼ぎなら悩むべきであると気づいた20代後半。(当たり前ですね。)

それから、自分が本物のアートディレクターと言えるようにコンセプトメイキングからアウトプットのディレクションをできるプロジェクトをしようと心に決めます。

面倒くさくて仕方ないことをどうせやるなら、納得できるものをつくっていこう。

根っからの怠けものである自分は何か自分からつくりたいものがあるかというと、そんなものはまったくありませんでした。今も同じくありません。

こんな私は、何か課題が目の前にあったり、それに対して責任を課されたり、自分で設定した瞬間に一番効率的かつ、よい形でゴールに向かえるかを考え行動できることが自分の強みです。

つくるのはとっても面倒くさくてしんどいけれども、自分が設定したゴールを達成することが「面倒くささ」に勝つくらい魅力的なことであれば動けたのです。

こんな私ですから思考は、面倒臭いことをやるのであれば、納得できるものをつくれるプロジェクトをやっていこうというようになっていきます。

会社をつくって定めたプロジェクトを受ける条件は「ふたりで一緒につくれること」。

2008年会社をつくってから、定めた条件は実装以外を担当する自分と実装部分を担当する梅津が「一緒につくれること」でした。

単体で実装だけ、デザインだけみたいなことは受けない。

そうすると、やれる仕事はだいぶ減っていきます。

それ以外にも振り返ってみると明文化はしていなかったけど、たくさんの条件があったように思います。

概念的には、「ちゃんとつくれるプロジェクト」という感じ。

ちゃんとってなんだってことですが、

例えば、

  • 共感できること、ものなのか。

  • 企画が納得できる。あるいは、方向修正できる。

  • 自分たちにとってチャレンジがあるのか。

  • クライアントと直接会話ができるのか、あるいは、それに準ずるくらいのコミュニケーションの密さにて進行できるのか。

  • クライアントや代理店の担当者との相性はよいか。

  • 必要十分な時間が確保できる。(当時は相当無理してました。)

  • 必要十分な予算が確保できる。(ある程度は仕事がなくてもやっていけるくらいの額のイメージ。)

みたいな気分です。ざっくりとしか書いていませんが、仮にどこかが満ちてなくても何かでカバーできたり凌駕できる部分があれば、「受ける」選択をしていました。

結果的には3年目で仕事が激減。半年くらいは仕事がない状況に。

あれこれ、基準をつくって受注をしていたら、まず「制作会社」からの仕事はまったくこなくなりました。肌感でいう受注チャンネルの半分は消えるイメージ。

そうしていくうちに、3年目は本当に仕事がなくなって、相方の梅津は京都に2ヶ月いけるくらい暇でした。毎日ウイニングイレブンをしたり、何をやってたんだろうな。。。

その中で先輩が紹介してくれた上田義彦さんのサイトやUNIQLOさんから来た仕事をなんとかものにしようと奮闘した記憶があります。

本当にたまにしかこない仕事でやるって決めた仕事をやり切ることで、4年目からは全く仕事が途切れずに数年間を過ごすことができるようになりました。(しかし、15年スパンでみるとパタっと仕事が途切れることが何度かありました。)

自分にとって価値がある仕事って、なんだろう。

15周年を目の前にして、たくさんの悩みがあります。悩みすぎて、何がなんだかわからなくなる時も多々あります。

そんな中で、今日ふと何のために、そしてどんな仕事を自分はしたかったんだっけって振り返ってみようと思ったわけで。それで、この文章です。

自分が思ってる価値ある仕事とは mount にとって、みんなにとって価値がある仕事なのか、やりたい仕事なのか。

15年間つくった数は、弊社サイトを参照すると117個、おそらくもうちょっとあるんだと思いますが、いずれにせよ年間10個もつくっていない。おそらく、自分でつくった仕事を受ける条件。「こんな面倒くさいものに向き合うのであれば、納得いくものをつくっていこう。」という気持ちを最優先にしていたからこその数だと思います。

よいものをつくり続ける。

会社のビジョン、今後の展望を聞かれるたびに言っている言葉。

よいものってなんだろうというのは、ひとぞれぞれに定めた基準を満たすことでよいけれども、少なくとも、

クライアントや課題に真摯に向き合い、よく話を聞いてよく話し、論理的にも感覚的にも納得できる解をもってみんなと一緒につくっていき、最終的には全員が納得する、そして胸をはれるものを目指していく。

という言葉に負けないつくっていったものが「よいもの」なんじゃないかと思い続けてきたし、これからもそう思うんだろうなと思います。

あ、あと、もうひとつ。

そこにチャレンジがあるのかどうか。
そのチャレンジをつくり出せるかどうか。

規定演技を超えた、自分たちならではのチャレンジをつくりだせたかどうかが、よいものの基準に欠かせないことであると思います。

こんなことをグルグル考えながら年始を迎えましたが、たまには雑文として書いてみようかと思ったり思わなかったりしています。

では、また。

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