Steve Aoki「Darker Than Blood [feat. LINKIN PARK]」:音の奔流は哀愁を運び、重なる歌声が音の魅力を増幅する
2015年にSteve AokiとLINKIN PARKが組み、「Darker Than Blood」を発表しました。Steve Aokiはコラボレーション・ソングを集めたアルバムのシリーズを発表しており、「Darker Than Blood」はその二作目である『Neon Future II』に収録されています。
EDMにもさまざまなものがあります。両者が2013年に制作した「A LIGHT THAT NEVER COMES」は、ダブステップの要素を含む重厚なサウンドで構成されていました。一方、「Darker Than Blood」では重さや厚さは抑えられていますが、力強さは負けず劣らず、強烈な向かい風に立ち向かうようなエネルギッシュなたくましさが印象に残ります。
「Darker Than Blood」でシンセサイザーが奏でるメロディの特徴は、何といっても哀愁でしょう。メロディは胸を締め付け、切ない気持ちにさせます。加えて、疾走するエレクトロニック・サウンドは熱気もはらみます。どこか寂しげな空気と疾走感が混ざり合った、多層的な雰囲気のEDMです。
また、音の生み出す哀愁を強めるのがChester BenningtonとMike Shinodaのボーカルです。彼らの歌声はバンドとは立ち位置を異にし、曲を引っ張るというよりは、Steve Aokiの音に馴染むパーツとして機能します。エレクトロニック・サウンドを引き立て、際立たせるために、Chester BenningtonとMike Shinodaが声を重ねます。ふたりの声が音に混ざることで、曲の魅力は何倍にも増幅されるのです。
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