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cune・hitomi「SAMURAI DRIVE」:無骨なバンド・サウンドが生み出す魅力、華やかな衣をまとったロック・テイスト

2001年にcuneが発表した「SAMURAI DRIVE」を、僕はhitomiによるカバーで知り、数年後にオリジナルを聴きました。「SAMURAI DRIVE」の大きな特徴は、曲の頭から響くエッジの効いたギターのリフです。さまざまなギターのフレーズが随所で聴けますが、ギターを前に押し出す場面ではやはりこのリフが目立ち、存在感を放ちます。

ギターに負けず劣らず歌メロも魅力的で、個人的にはサビよりもBメロのインパクトが強い曲です。♪I don’t know the way of truthが♪や♪浮世離れの♪のメロディが耳に残ります。メロディの描く線がゆっくりと、しかし力強く上昇するところが好きです。メロディの魅力と独特な声の質が混ざり合う、無骨ながらも瑞々しさを含んだフレーズなのではないでしょうか。cuneのオリジナルとhitomiのカバーの両方を聴くと、歌声の違いとともに、このメロディの魅力が伝わってきます。

ビデオだったか音楽番組だったか定かではありませんが、和装のように見えた華やかな衣装でhitomiが「SAMURAI DRIVE」を歌う姿に衝撃を受けました。インパクトが大きかったのはビジュアルだけではありません。高低差のあるダイナミックなロック・サウンドが、hitomiに対する自分のイメージ――「CANDY GIRL」や「by myself」など1990年代の曲で止まっていた――を粉々に打ち砕きます。原曲のロック・テイストを維持しながら、武骨さを艶やかな色で塗りかえるアレンジです。


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