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DEPAPEPE「GUILTY」:モノクロームに染まるアコースティック・ギターの音色

2020年4月、DEPAPEPEのアルバム『Seek』がリリースされました。アルバムのリード・トラックであり、ミュージック・ビデオも制作された曲が「GUILTY」です。ふたりのテクニカルな面は言うまでもないとは思いますが、その技術に裏打ちされたメロディの表現に感動します。淀みなく筆を動かし、カンヴァスに生み出す絵画のようです。ギターの響きを聴いて、その美しさを噛み締める時間はささやかな幸せを感じる、そういう音でありメロディです。

ギターの音が包むメロディはとても美しく、特に終盤になって転調する瞬間が好きです。その美しさをモノクロームの映像が引き立てます。最初はカラフルな映像の方が効果的なのではと思いましたが、否、これはモノクロだからこそ音が際立つのかもしれないと考えを改めました。「GUILTY」を聴いた人は、音や映像から、どのような色を思い浮かべるのでしょうか。聴いた人の数だけ色がある。それらが集まれば、初夏の花々のように色鮮やかな世界が広がることでしょう。

DEPAPEPEのふたりが弾くアコースティック・ギターは、それだけで素晴らしいアンサンブルを生み出します。ふたりの音を引き立てるのが他の音です。たとえば、ベースを弾いている須長和広(quasimode)は、ジャズの他にもポップス、ロック、K-POPのコンサートにも参加しており、ジャンルを越えて活躍しています。彼の音は「GUILTY」をボトムで支えながら、ときとして顔を覗かせて存在感を示します。


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