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小室哲哉はソフト・シンセの中に冨田勲の偉大さを見る(朝日新聞デジタル 小室哲哉インタビュー)

音楽家の冨田勲が亡くなったのは2016年5月5日。その後、小室哲哉のインタビューが朝日新聞デジタルで配信されました。冨田さんとの対談で交わした会話を含め、その音楽に思いを馳せています。媒体が新聞だからか、音楽誌やTM NETWORKの企画とは趣の異なるインタビューです。

A quote from the interview with Tetsuya Komuro

小室さんの言葉がピュアに、そしてストレートに響きます。小室さんは冨田さんを「先生」と呼んでいますが、2014年の対談では、二人の関係はまさに教師と生徒を思わせました。あまり多くを教えない、けれども尊敬される先生。生徒は先生を驚かせたくて懸命に学び、その成果を披露します。

A quote from the interview with Tetsuya Komuro

小室さんの音楽制作環境において、大きなウェイトを占めるのがソフト・シンセです。ソフト・シンセはネットワークにつないで、定期的にアップデートされる音源を取り込み、さらに自分で加工して使います。その中に見た音の名称に、冨田さんの偉大さを感じているようです。

音楽について記憶に残るものは、誰もが口ずさめるメロディ、あるいは印象的なリフやソロが浮かびますが、音という部品にフォーカスされることは少ない気がします。だからこそアイコンとして、音を扱う人々の中に残ることは、音楽が残り続けるよりも大きなインパクトがあるのかもしれません。

A quote from the interview with Tetsuya Komuro

今回のように過去について話す機会であっても、小室さんの言葉は、そのいくつかは未来につながります。多くの人の耳にとまる音楽をつくるというモチベーションは常に持っており、特に若いリスナーの琴線に響く音、メロディ、言葉を探しています。かつて「ミュージシャンに定年はない」と言い放った小室さんのチャレンジを追い続けたいと思います。


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