見出し画像

Black Coffee「10 Missed Calls [feat. Pharrell Williams and Jozzy]」:身体に染み込むサウンド、心に絡みつくエレガントな歌声

Black Coffee(南アフリカ出身のDJ/producer)の音楽を聴いて浮かぶのは「音が身体に染み込む」というイメージです。血液の流れに乗って酸素が身体の隅々まで届けられるように、音が自分のなかに浸透します。

僕が初めて聴いたBlack Coffeeの曲は、David Guettaと共作した「Drive」です。静かに響くエレクトロニック・サウンドに惹かれました。分厚くヘビーな音が渦巻くEDMシーンにおいて、静謐さを感じるBlack Coffeeのハウス・ミュージックは新鮮に響き、独自性が際立ちます。

「Drive」はアルバム『Subconsciously』に入っており、この作品はGrammys 2022のBest Electronic/Dance Albumを受賞しました。授賞式でBlack Coffeeは “I want to thank God for the gift of music and being able to share it with the world and heal some souls.”Billboardの記事より)と語りました。“heal” は今を映すキーワードといえるのかもしれません。

『Subconsciously』に収録された曲で、もうひとつ興味深いものがあります。それは「10 Missed Calls」という曲です。Black Coffeeらしさを放つ穏やかな音が味わい深く響き、静かながらも身体を動かしたくなります。Pharrell WilliamsJozzyのボーカルは音に馴染み、溶け込み、音がつくるムードを鮮やかに彩ります。目を閉じて音や歌声を味わうもよし、ゆったりと身体を揺らして音に身を任せるのもよし。哀愁漂う音が聴き手の心を優しく包むダンス・ミュージックです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?