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quasimode「Lush Life」:豊潤な音に満たされ、繰り返すメロディに魅せられる

quasimodeの音楽でプレイリストを作る際に、必ず選ぶ曲がいくつかあります。その一曲が「Lush Life」です。2011年にリリースされたアルバム『Magic Ensemble』に収録されています。同名のジャズ・スタンダードがありますが、この曲はquasimodeのオリジナルです。

降り注ぐ太陽の光は、大地だけではなく、僕らの人生を豊潤にしてくれる――そうしたイメージが浮かぶ演奏です。ラテン・ジャズらしさを感じるピアノとパーカッションが、絡み合って疾走感を生み出し、聴く人の背中を押し続けます。僕にとってパーカッションは特別です。その音を聴くと気持ちが熱くなり、思わず手近な何かを叩きたくなります。気持ちの赴くままに、リズムに誘われるままに。

繰り返されるピアノのリズミカルな音を背景に、ホーン・セクションが伸びやかな音を届けます。心地よさを肌に残して吹き抜ける涼風を思わせる音です。また、トランペットがソロをとる展開も好きで、気持ち良い時間が流れます。美しい曲線を描きながら、いくつもの音が重なって生み出すひとつの流れ。魔法のアンサンブルに魅せられます。

「Lush Life」はアルバムのリリース・ツアーで披露されました。音源にはないコーラスをベースの須長和広が歌い、観客もsing alongしたことを覚えています。一緒に声を出しながら感じたのは「音楽のなかにいる」ことです。同じ空間で同じ音を浴びて、同じメロディを口ずさむ。音楽に包まれ、幸せな時間を過ごしました。


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