Krewella「Alive」：音の迫力で圧倒し、スタイリッシュなハーモニーで魅せる

2013年頃にKrewellaの「Alive」を聴いたとき、サウンドの迫力に圧倒されたことを今でも覚えています。美しい旋律を奏でる穏やかなピアノの音で始まり、満を持して飛び出すのは、分厚くて勢いのあるエレクトロニック・サウンド。分かりやすい起伏があり、「ここしかない」という絶妙なポイントを突いて盛り上げます。EDMの隆盛期ということもあり、EDMらしい音や展開が聴ける曲です。

ボーカルはロックの熱とともに、ダンス・ミュージックらしい艶を感じさせます。魅力的な歌を披露するのはJahan YousafとYasmine Yousafの姉妹です。ふたりの歌声は躍動感にあふれて力強く、ふたりが織り上げるハーモニーは美しい。各々の声質を活かしたツイン・ボーカルは、違うからこそ混淆し、シナジーを呼び込みます。

ふたりの歌声がフィットするのはソフト・シンセで構築された勢いと厚みのあるEDMだけではありません。それを示すを示すのが「Alive -Acoustic-」です。アコースティック・ギターとピアノに若干のリズムが重なったシンプルなサウンドを背に、ふたりの歌声が響き渡ります。歌声の魅力がダイレクトに感じられるシンプルなサウンドです。ふたりはリードとバックグラウンドの役割を入れ換えながら歌い、流れるように曲は進みます。歌に耳を傾け、じっくりと聴くことで、彼女たちの声や歌い方の違いが楽しめるパフォーマンスです。