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Tom Staar and Eddie Thoneick「Otherside」:浮遊感に満ちたエレクトロニック・ミュージックが聴き手を誘う
好きなDJ/producerを聞かれて思い浮かぶ名前はいくつもあり、そのうちのひとりがイギリス出身のTom Staarです。高密度の濃厚なキックを中心とした四つ打ちに魅力を感じます。無機質に見えて豊潤、単調に見えてダイナミック。音に触れるほどに奥深さを実感できます。
2018年にはドイツ出身のEddie Thoneickと組んで「Otherside」を発表しました。ハウス・ミュージック・クリエーターどうしのコラボレーションからは、それまで聴いていたTom Staarの音が感じられる一方で、異なる印象も得られました。
「Otherside」のエレクトロニック・サウンドを表現する言葉をひとつ選ぶとすれば「浮遊感」です。決して音が細かったり薄かったりするわけではなく、シンセサイザーの音色を聴いていると体が軽くなるような気持ちにさせてくれます。軽やかで心地よく、本当に浮くのは無理だとしても、足取りを軽くしてくれるサウンドです。
共作だからでしょうか、「Otherside」ではキックの自己主張は控えめです。Tom Staarらしさは影を潜め、バランスをとっているように感じます。しかし、物事には両面があります。バランスの良さが曲の軽やかさにつながり、聴きやすさを高めるのに貢献しています。インストゥルメンタルのEDMをそれほど聴く機会がない人も比較的とっつきやすいアレンジなのではないでしょうか。
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