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AVICII「Broken Arrows」:中毒性の高いフレーズが渦を巻き、聴き手は音の世界に呑み込まれる

踊るのにちょうどいいテンポ、繰り返されるシンセサイザーの音。中毒性の高いフレーズがぐるぐると渦を巻き、心地よいサウンドの世界に聴き手を誘い、導きます。AVICII「Broken Arrows」は、2015年10月に発表されたスタジオ・アルバム『Stories』の収録曲のひとつです。

最初はシンプルな音のなかで歌が曲を引っ張り、やがて入れ替わるようにシンセサイザーのリフが飛び出します。この曲の魅力を挙げるとき、真っ先に思い浮かぶのが間奏のリフです。ダンサブルなフレーズが聴く人の体内で反響し、身体中を駆け巡ります。もちろん魅力はひとつに絞る必要はないので、ボーカルが生み出すタフな雰囲気も加えましょう。ボーカル、シンセサイザー、ボーカル、シンセサイザーの順にバトンが渡され、最後に両者は混淆します。

「Broken Arrows」をサウンドトラックとして重ねたショート・フィルム、という趣きのミュージック・ビデオです。走り高跳びや親子の関係といった要素で構成された映像は、実話をもとにしているとのことです。映画風に仕立てたミュージック・ビデオは数多くありますが、「Broken Arrows」はもはや映画といってもよいのではないでしょうか。短編映画のフェスティバルに出せそうなくらいに作り込まれた映像です。映画館にある大きなスクリーンで観たら、音楽と映像の世界に気持ちよくコミットできそうな気がします。


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