にがくてあまい レシピ70 いちじくと大根の天ぷら

『にがくてあまい』も70話まで来ました。今回のタイトルは「いちじくと大根の天ぷら」です。いちじくの天ぷら、おいしそうですね。天ぷらにしたいちじくを少しの塩で食べてみるところをイメージすると…甘さと塩気がいい感じにマッチしそうです。

http://comic.mag-garden.co.jp/eden/58.html

『にがくてあまい』には「にがあまレシピ」というれっきとしたレシピがあります。毎回登場する料理は想像上の料理ではなく、作者の小林ユミヲさんが実際に作ったものです。小林さんのブログ「mushrooms変速ニッキ」で公開されています。

今回のレシピでは、天ぷらの衣に米粉を使っているみたいです。米粉っていろいろな使い方があるんですね。米粉と言えば、松本市中町にある「てまりや」という店では、安曇野産の米粉を使ったバウムクーヘンが売られています。米は米として食べるのが一番だとは思いますが、米粉で料理のバリエーションが増えるのであれば、それもまたよし、かもしれない。

閑話休題。70話では「マキ」の父親である「豊」がやってきて、ドタバタが起きます。

『にがくてあまい』の最初は、「マキ」と「豊」との確執、そして和解がメイン・テーマでした。父親を拒絶していた彼女も、母親の「操」や同居人の「渚」の助けを得て、素直な気持ちを吐き出し、距離を縮めます。それからは失った時間を埋めるように、何のかんの言いながらも二人は仲のいい親子として互いを思いやります。

そんな中でも色濃く浮かび上がるのが、娘に対する「豊」の愛情ですね。10年も絶縁していたとは思えないくらいに「マキ」のことを心配し、すげなくされると本気で落ち込む。まるで生まれたときからずっと子離れができない親のようです。10巻では死んでしまうのではないかと思うくらいに依存していました。

今回も名脇役「ばばっち」は印象的なシーンで登場します。「渚」の回想に登場して、印象的なひと言をワンカットで投げかけます。「渚」の記憶に引っかかっていた言葉が、「豊」の何気ないひと言でよみがえる。そのまっすぐな瞳とまっすぐな言葉が、ハンドボールのボールのようにまっすぐ突き刺さります。物語はどう動き、どこに向かうのでしょうか。いくつもの思いがぶつかり、混ざり合います。

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