にがくてあまい レシピ73 パクチーとトマトの塩焼きそば

『にがくてあまい』の第73話「パクチーとトマトの塩焼きそば」が公開されています。物語はエンディングに向かって、どんどん進みます。どのように終わるのでしょうか。それは我々の予想の範疇に収まるのでしょうか。それとも、どこか別の、思いもよらないところにたどり着き、想像もしなかった結末が待っているのでしょうか。

http://comic.mag-garden.co.jp/nigaama/

第73話では、これまでにないシーンが描かれます。「マキ」の父親が倒れるという非常事態の中で、「渚」は「マキ」を抱きしめ、「マキ」は「渚」の腕の中で眠ります。

二人の距離が縮まる描写は、これまでにもありました。ユニークなのは、距離が縮まる度に、どこか諦めのようなものが積み上がる感じがありました。近づけば近づくほどに、大切に思うほどに、ずっと一緒にいられないことを直視せざるを得なくなる。深入りを避けているわけでもないのに、仮住まいのような関係性を維持しなければならないという強迫観念にとらわれる。それは主に「渚」のモノローグとなって物語に表出します。

…けれども、「渚」は「マキ」によって変わり、「マキ」は「渚」によって変わりました。それは本人たちが意識する以上に、大きな出来事、大きな変化です。

女性に触れることすら拒否してきた「渚」の大きな変化。身を引くことを決意した矢先に起きた大きな変化は、もうすぐ訪れるクライマックスの布石なのでしょうか。読者はイメージすることしかできませんが、それこそが最大の楽しみとも言えます。次のマイルストーンを待ちわびつつ、イメージする喜びを充分に味わいましょう。

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