LINKIN PARK「GUILTY ALL THE SAME [feat. Rakim]」:硬くて鋭いロック・サウンドが支配する世界、音に対峙して火花を散らす言葉の奔流
LINKIN PARKが2014年に発表したアルバム『THE HUNTING PARTY』では、全体的にエレクトロニック・サウンドを控えめにしたアレンジが施されました。前に出て存在感をアピールしたのは、バンドの演奏が生み出す生のグルーヴ。その代表格といえる曲が、アルバムから最初にシングル・カットされた「GUILTY ALL THE SAME」です。
ザクザクと空間を切り刻むギターで始まり、すべてを呑み込まんとする強烈なビートが空間を支配します。鋭角的なギター・サウンドは体感速度を上げ、硬質なスネアが意識を侵食します。音に負けず劣らずChester Benningtonのボーカルも熱く、アグレッシブ。最初の一音からラストまで余すところなく「ロックの格好良さとはこういうことだよな」と思わせてくれるパフォーマンスです。
「GUILTY ALL THE SAME」のもうひとつの特筆すべきポイントは、ラッパーのRakimが参加していることです。Chesterからバトンを受け取り、終盤にRakimのラップが飛び出します。ずしりと重く、それでいてリズミカルに移ろう言葉の運びです。最後まで途絶えることのないサウンドの重厚感やスピード感と対峙し、せめぎ合い、コラボレーションします。火花を散らし、熱く輝く光を鏤めたアグレッシブな音と言葉のエンターテインメント。呼び寄せるのは快感です。僕らはもっともっと続いてくれと願いながら、音に言葉に酔い、その支配を受け入れます。
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