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TM NETWORK「intelligence Days -Studio Mix-」:音の群れが告げた幕間、予測できない未来に向かう起点

TM NETWORKのアルバム『DEVOTION』には、2021~2022年のライブで使われたインストゥルメンタルが収録されました。そのうちの一曲が、〈TM NETWORK TOUR 2022 FANKS intelligence Days〉の最後に流れた「intelligence Days」です。次の展開(Day 10)を示唆する映像とともに流れた曲であり、終わりの中に始まりを描きます。

螺旋を描くアルペジエーターで始まり、全体的に威圧感のあるエレクトロニック・サウンドで構成されたEDMです。咆哮するパーカッシブな音や、肌にまとわりつくようなベースが印象に残ります。ポップ、キャッチー、分かりやすさなどから距離をとったストイックな音が聴き手を襲います。

表情の読めない音が、どこか不穏な空気を漂わせます。〈TM NETWORK How Do You Crash It?〉のラストに使われた「End Theme Of How Do You Crash It?」が明るい光を感じるのに対して、「intelligence Days」からは暗く重いイメージが浮かびました。雷雨を運ぶ黒い雲が近づいてきた感じでしょうか。

『Sound & Recording Magazine』(2023年8月号)でのインタビューによれば、小室さんは “intelligence Days” というワードを引き続き使うために、このタイトルで曲を作ったそうです。僕が抱いた印象は上記のようにヘビーなものですが、2023年のツアー・タイトルに継承されていることもあり、今後の展開によっては大きく変わるかもしれません。


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