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LINKIN PARK「QWERTY (Live in Tokyo, 2006)」:制作期間中の熱を閉じ込め、日本で解放したパフォーマンス

LINKIN PARK「QWERTY」を初めてステージで披露したときの音源や映像が配信されています。場所は日本。〈SUMMER SONIC 06〉でのパフォーマンスです。後に公開されたスタジオ・レコーディングとは少々違いがあります。Verseが少し長かったり、ボーカルが明るめだったりするなど、違いを聴き比べるのもおもしろいのではないでしょうか。

当時のSNSや動画のムーブメントは今のような隆盛には程遠かったものの(Twitterが誕生するのは一年後)、LINKIN PARKの新曲が披露されたという情報は、すぐにブートレグの動画を伴って出回りました。多くの人が次回作に収録されると思ったはずで、僕も例外ではありません。

バンドのファンクラブの会報に「QWERTY」の制作秘話が掲載されたことがあり、その誌面がInstagramで公開されています。当時は三作目の制作真っ只中。曲作りや録音作業に専念しており、日本ツアーはバンドにとって例外的なものだったそうです。レコーディングの精神状態でライブのリハーサルを行なった結果、新しい曲を短期間で作ってステージに上げるという試みが生まれました。

ドラマーのRob Bourdonによると、ライブ用に準備していた新しい曲を取り下げ、改めて書いた曲も直前で中止し、そしてリハーサルの最後の一時間で生まれたのが「QWERTY」です。出発までの三日で曲が調整され、歌詞は日本に向かうフライトで書いたとのこと。日本ツアーとアルバム制作活動が重なったことで、熱量高めの状態で新しい曲が形になり、日本で姿を見せた――巡り合わせの妙というべきでしょうか。


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