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blondfire「Waves」:歌声は音の波間に漂い、そっと心に触れる

2013年にblondfire「Waves」を聴いて、独特の雰囲気を持った歌や音に魅せられたことを今も覚えています。改めて聴いてみても、やはり魅力は色褪せません。ボーカルのErica Driscollは不思議な空気を漂わせる歌声の持ち主です。少女のような表情を見せたかと思えば、大人の顔を覗かせる瞬間もある。

blondfireを知ったきっかけはAVICIIの「Liar Liar」という曲です。ゲストで参加したEricaの歌声に興味を持ったので、調べてみると「Waves」を見つけました。コラボレーションは新しい音楽との出会いを僕らに届けてくれる素晴らしいギフトです。

当時のblondfireは兄妹デュオでした。2014年にアルバムを発表すると兄のBruce Driscollはblondfireから離れ、ソングライティングなど裏方として関わるようになります。以降はEricaひとりがフロントに立ち、決して多作ではありませんが、活動を続けています。

「Waves」の幕を上げるのは乾いたアコースティック・ギターの音です。やがて、淡々と一定のリズムを刻むドラム、粘り気のあるベース、無表情なシンセサイザーの音が混ざります。そこに低音が魅力的なEricaの歌が加わります。全体的に温度の低いサウンドやボーカルです。そういった下地が作られているからでしょうか。♪Waves♪と歌う厚みのあるコーラスや、エンディングの叙情的なギター・ソロが印象的に響きます。


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