ニュータイプ@発達編①
長い話になります。
まだ目を背けていたいので不定期更新になるかなぁと思います。
私には娘のように愛する猫がいる。
私がガンになったとき、2人目を出産して余命宣告を受けるか、子宮を全部摘出するか、入院のギリギリまで悩んで父さんに泣きながら相談したときに「俺、メンタルケアしてもらう側だし…」と戸惑われて、「そっか」と自分のベッドで1人嗚咽をあげて泣いていたときに側にいてくれた猫。
治療が辛すぎて諦めそうになったときも、息子はいずれ大きくなったら事情を理解できるだろうけど、猫はいつまでも私を探して毎晩鳴くだろう、と生に執着する大きな理由になった。長い宿泊が続くと声を枯らして出迎えてくれる猫。
術後、何年経っても定期的な吐き下しで苦しみ、日常生活がままならず倒れてしまうと、父さんは不快な顔で「たまになら心配するけど、いつものことやろ」と私に普通でいろと無理を強いる中で、私に寄り添い心配そうにじっとしている猫。
その猫の調子がなんとなくおかしい気がする…。
念のため通院すると「今日明日持たないかもしれません」と告げられ、ショックと受け入れ難い気持ちを飲み込んで、いまできることを、と、その日から藁をも縋る思いで父さんの夕食や入浴などのルーティンを崩さないように気をつけながら毎日点滴に通いました。
しばらくすると自宅点滴を教えていただけることに。先生から「1人が押さえて、もう1人が打つほうが良いですね」とお話を伺ったので、「厚かましいのですが明日主人を連れてもう一度教えていただけないでしょうか?うちの猫は主人に触られるのが無理なので私が押さえて主人が針を扱うことになるかと…」と言うと、「いいですよ」と快諾していただけました。
翌日。
渋い顔の父さんを連れて通院すると、先生が前日のように丁寧な説明をしてくださいました。「旦那さん右利きですか?」と先生が尋ねると「はい」と返事をする父さん。「僕もなのですが、そのときは左側から刺したほうが良いですよ」との言葉を無視して、右側からブスッと刺して皮膚を貫通し、輸液が外にピューっと漏れ出す事態に。
先生が何度も優しく伝えてくださってるのに、それに従わず自らのやり方をやめない父さん。叫んで暴れる猫。まさに地獄絵図。
「…えっと、そろそろ穴があきすぎて、うまくいったとしても空いた穴から輸液が漏れてしまうので、今日は僕やりますね」
先生のその判断で、結局一度も成功しないまま、輸液と針を預かって帰宅することに。
そして翌日、一生忘れない、許せない事件が起こったのです。
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