ニュータイプ@発達編②
自宅での初めての点滴。
病院から多めに針をいただいて(失敗したときに交換しないと感染のリスクがあるため)、何度も教えてもらったことを繰り返し、ごめんねごめんねと謝りながら猫を押さえた。
「よし」と、準備万端の様子の父さん。よく見ると空気が入っていて、「ちょっとまって!」と空気を抜く。やり方にケチをつけられた父さんは無言で怪訝そうな顔。あまり刺激して打つことに集中できなくなるといけないので、それ以上は責めない。深く深呼吸。
父さんがアルコール綿で皮膚を拭き、針を持ち替えた際に「イテっ」と呟く。
「え?針触った?交換する?」と尋ねると
不機嫌さを撒き散らし、これ以上言うな、というアピールをして「大丈夫」と、そのまま針を突き立てた。
「ぎやぁにゃあああぉなあああ!!」
聞いたことのない声で泣き叫び大暴れの猫。
「ごめんね!ごめんね…!!」と目を背けた先には、父さんが針を刺す前に使ったアルコール綿が、
真っ赤に染まってました。
「え?」と思う暇もなく、暴れ続ける猫。病院では刺す瞬間は痛がるけど輸液を入れてからこんなに暴れることはないので、直感でヤバいと感じ「一回抜いて!!」と叫ぶ。
苛立ちながらも針を抜いてくれた父さん。
一度猫を解放する。
あかん、声が震える…
「アル綿、真っ赤やけど…」
「あぁちょっと指に刺さったんかな」
「この赤さ、ちょっとってレベルじゃなくない?わずかでも針に触ったら交換って昨日先生から教わったよね?あなたにしか針に触ったかどうか分からないから聞いたのに!感染気をつけないと、いま特に弱ってるんだから…!」
私の剣幕に、ムッとして無言になる父さん。
「もういい。私、ひとりでやる」
猫も私の覚悟が伝わったのか、大人しくしてくれました。やっぱり針を刺してからあんなに長く痛がるのはおかしかったんだ…そう思い、点滴中膝の上の猫に「ごめんね、ごめんね…」と繰り返すのも、同じ部屋にいる父さんは携帯をさわりながら聞こえない様子。
もう同じ空気を吸うことすら苦痛で、猫が逃げるように帰った私の寝室へ様子を見に行くと、ベッドの隅で小さくなりカタカタと震える猫。
慌てて保温できるものを用意するためにリビングへ戻り、どうしても許せなくて父さんにその様子を伝えると「輸液の温度が低かったんちゃう?」と。
その後、息子をお風呂にいれて寝かしつけに集中しようとするも、はらわたが煮え繰り、朝まで寝つけませんでした。
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