ニュータイプ@発達編⑦
何度も何度もコールが響く。
「ごめん、ちょっと父さんからの電話が鳴り止まなくて、怖い。ごめん、出てくる」
そう言って母に息子をお願いする。
息子には「ごはん買いに行ってくるね」と笑顔で話してホテル下の車へ向かう。
「母さんの切迫した状況が分かったので、もう一度チャンスを下さい。ムスコには両親が揃った状態で成長して欲しい。勝手には連れて行かないで頂きたいです。これでも父親なので。お願いします」
そこから、今回の件に関しての弁明が始まった。
「まず、猫を飼いたいと言ったのは母さんです」
「猫の点滴で先生のアドバイスを聞かなかったのは、プライドでは無く成功させたい一心でした事なんです。不器用な事は本当に謝るので許してください」
「母さんが点滴が無理で自分がするしかないと思い込んでいました。あんなに上手くできるなら頼まれてついて行ったりしませんでした」
「コミュニケーションは本当にわからない時があるのでなにか合図を頂けたら必ず従えるのですが、ご協力願えれば幸いです」
「翌日、点滴の針の挿し方は微妙で空気が入った時点で失敗でした」
「誰かに間に入って話し合うのはできません。2人での話し合いを録音もしくは別室で聞いてもらうのはどうでしょうか、いろいろ障害をもっているので配慮が欲しいです」
これまで発達障害を認めず、父さんの親族の前で「こいつ俺を障害者扱いする!」と晒し者にされたのに、急な配慮を求める父さん。とても応じられないと話すと
「俺だって言いたいことがある。でもお前が希死念慮を訴えるから黙ってやってることだってあるんだ!」
と怒り出しました。
??私に配慮して、本当は自分は悪くないと思ってるのに謝ってきたってこと?
ガンの治療の後不自由な体になった私が体調を崩す度イライラされて。
旅行中、私の吐き下しが止まらず、父さんに薬を買いに行くのお願いしたのに「晩酌を始めるから」と拒否されて。朦朧とした意識でハンドルを握り、袋に吐きながら薬局へ行った件。後日の話し合いで「もう晩酌はじめてたから買いに行けなかった!」に話がすり替わっていて。歩いて行けないのか尋ねたら「30分はかかるだろう?」と。車で5分だったと伝えると「じゃあ徒歩15分か!」と言っていた話(詳しくは『義実家の新年話』をご覧ください)を持ち出して
「俺だって言いたいことがある。薬局までは22分やった!」
と強気で言われました。
これまで、もう何度も泣きながら無理だと離婚の話を切り出して、その度に「これから頑張ります」と反省した父さん。でも1ヶ月後には、私の親族に「この間離婚の危機があってね〜」なんて過去の笑い話として話してたりする。喉元すぎるのが早すぎる人。
猫を飼いたいと言ったのも、盲導犬のパピーウォーカーをしたいと父さんに何ヶ月も前から相談して面談日まで決めた際に「お前が話してたから相槌を打ってやっただけで俺飼っていいって言ってないよ。犬より猫派だし」という屁理屈をぶち込まれたことがきっかけ。そして猫を飼うことには『YES』と確認したけど。それが今回の話とどう関係があるの?
話そうとしてもイライラの空気で堅くシャッターを閉じて「俺は悪くない!」と主張するのに、コミュニケーションがうまくいかなかったら教えてください?
もう何もかもの主張が分からない…
これに理解を示さなくちゃいけないの?
ふと携帯を見ると、母からメッセージが大量に送られてきていた。「いつまでかかる?」「待たせすぎ」「まだなの」と。
適当に誤魔化してホテルのレストランで食事するとか、母がなんとか子どもをみていてくれる、なんて甘い考えだった。そちらも調整しなくては。
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