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「働かない」パラオ人と一緒にいて

パラオに来て早いもので、2週間以上経ちます。

今はパラオ人の家に住まわせてもらっているのですが、僕の目から見てパラオに住んでみて考えたことを書いてみようと思います。

そもそもパラオって?

パラオは太平洋にある小さい島国。

平均気温28度。
人口2万人ちょっとで、日本と時差はない。
19世紀にスペインの植民地となり、以後ドイツ、日本、アメリカと統治されて、1994年に独立した。

パラオ人は働かない」

パラオ人のお偉いさんは勤勉に働かないパラオ人のことを非難する。

たしかに、ホテルに行くとそこに働いているのは、出稼ぎに来ているフィリピン人だ。
レストランやガソリンスタンドなど他のところでもパラオ人が働いているところはあまり見ない。

20年以上、パラオで仕事をする日本人も言っていた。
「やつらは約束を平気で破る。きついことができない」

ある時、木陰で昼寝をしていた。

「一日中、ここにいたい」

パラオは暑い。
一年中暑い。
そういえば、今、日本は冬だってことを忘れさせるほど日差しが強い。

暑いから、外に出て勤勉に働くことは逆に身を滅ぼす。

そして、お腹が少し減れば、その辺に行って、魚を釣ったり、タロイモやタピオカを採ればいい。

そして、また日陰で休む。

寒さという生存の危機がない気候と豊富な自然に囲まれた生活。

つまり、この土地では、勤勉に働く必要がないのだ。

パラオ人は貯金ができないとよく聞く。

この土地に住んでみて思うこと。

貯める必要がないということ。
その日に必要なものを必要だけ、その瞬間に探せばいい。

未来のことを考える必要がないのだ。

「もしかしたら、足りないという感覚が未来を作ったのかもしれない」

パラオ人の生活を見てみてそう考えた。

そういえば、1月前までヨーロッパにいた。
4時ぐらいには暗くなり、ほとんど毎日曇り空。
寒くて外に出ることもできない。

「ここじゃ生きられないな」

だから、科学が発達する必要があったのだ。
だから、領土を広げる必要があったのだ。

この厳しい寒さや環境の中で、どうにかして生きなければならないということで文明が発達したヨーロッパができたのかもしれない。

「今のままではダメだ」

官僚や起業家のパラオ人は、パラオ人の在り方に危機感をあらわす。

「もっと働かなくては」

ホモ・サピエンスの歴史は20万年以上あったと言われている。

その20万年という果てしない年月の中で、それぞれの地域に適した進化をしてきたはずだ。

最近思うことは、発展途上と言われていた国は、実はその地域に即してきちんとした発展を遂げていて、最適化された形に落ち着いているのではということ。

つまり、遅れてるとか野蛮だとかそういうことではなくて、長い年月をかけて、その土地にあった独自の発展を遂げているだけだと。
発展する必要がなくても生きられたから。

グローバル化でどんどん国の境がなくなっていく。
発展する必要がなかった人たちを無理やり、発展しないと生きられないゲームにひきづり込んで、貧困にしてしまったのではないか。

多分、このグローバル世界は止められないし、発展というゲームはどんどん進んでいく。

酔っ払いながら、ダンスを踊り、
歌を歌っているパラオ人を見て、
僕も歌を歌ってみた。

なんか、不安になった。

「あぁ、自分はどこに向かっているんだろう」

僕は紛れもない日本人だった。














いつもありがとうございます!まだまだ未熟者ですが、コツコツやっていきたいと思います!