かっけー大人とは(2月)

受験が終わった人は最後の2ヶ月くらいの間に教養講座という好きな授業を受けるために学校に来る期間がある。

今考えると自分で希望をして、人気な授業は抽選があって、って少し早めの大学生体験みたいだな…。

そこで、わたしは初めて顧問の授業を受けた。
チープなキットでウクレレを作る授業。
生徒が2000円ぽっちで出来たウクレレを持っているのを横目に、これは自分のなんですが…としっかりしたウクレレを持って見せてくる顧問。

顧問を一言で表すなら、なんだろう。
かっけー大人かもな。いや最高すぎるだろ、わたしも言われたい。

でも本当に嘘のない人で、言葉も態度も全部裏表無くて、この3年間で何度この人の下で学べてよかったと思ったか分からない。
嘘のない人は少し語弊があるけど、その時とその後を考えてどんな行動を取るべきかを教えてくれる人だ。そしてまた顧問もそうしている。

高1の終わりごろ、部活では誰が次の幹部になるかという話で浮き足立っていた。
正直少し自分が何かになるかもと思っていた。そうなんじゃない?と言われたら満更でもなさそうに無理だよ〜と返してしまっていたかもしれない。1年の中で、引退する先輩に向けた色紙を集める係に任命されて、これは部長の予感なのか!?と思ったりもした。
けど実際には何にもならずに2年を迎えた。

心のどこかに生まれていた期待と予感がうるさかった。
でも改めて部長かなんかになりたかったのかと考えると全然そんなことなかったのでよかった。わたしみたいなやつは大変なことになったとしてもみんなに助けてもらえないと思うので。

そんなこんなで2年もそれとなく活動していて、何度かバンドを辞めようかと思ったりした。
一緒にやっている2人との足並みが揃う瞬間は無かったし、ライブの前も後もいつも胃がキリキリして仕方なかった。純粋にかっこいいものを魅せれる同期が羨ましかったし、この部活にマネージャーという役職があったならすぐに転向していただろう。
ライブの後ほとんどの確率で落ち込んでいるわたしに、「ももこは良い曲書けるから、それだけでもやめない理由だから!」と何度も声をかけてくれた顧問。最後までバンドマンである自分に自信がある瞬間というのは無かったけど、曲を書くことに関しては少しだけ自信がついたのは、顧問のそういう一言が支えになっていたんだなと。そしてきっとわたしが何を認めて欲しいのか分かっていたんだろうな。ちゃんと今も曲を書いてます!ただの趣味だけど、続けるし

2年のときの年末のホールライブの片付けが終わったあと、名前を呼ばれて「相談があるんだよ〜」と言われたことがあった。
相談の内容はこれからの部活についてとか、自校合同についてとか。
マジでなんでわたしにそんなこと相談するんだよと思った。幹部でもないのに重いこと聞くなよ!と思った。
でも本当は少し嬉しくて、それを相談する相手として選ばれたことで人として認められた気がした。
どこまで見透かされてるのか分からないけど、わたしはきっと幹部になって何かを考えるよりなんでもないけど大事なことを相談される方が嬉しいって分かられていたような気もする。

と、このように顧問のことをちゃんと尊敬しているわけなんですけども。
例によってそれを伝えたことはなく、やっと伝えることが出来たのが3月の引退ライブ。
「あなたの言うことはいつももっともだって思ってました」と伝えたわたしに、夜LINEが届いた。


「俺もいつも桃子のMCがとっても好きで、なんて的を得たことを言う人なんだとずっと思ってました。言いそびれたんで伝えておきます。」

え〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!好き〜〜〜〜!!!!うれし〜〜〜〜〜!!!
てかこのタイミングでそれ言うのかっけ〜〜〜〜〜!!!!
わたしも顧問みたいな視野の広くて裏表のないかっけー大人になれるよう精進します。


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