マガジンのカバー画像

臨床1年目の教科書

193
リハカレスタッフによる、新人さん向けのマガジンです。
運営しているクリエイター

#肘関節

肘関節の評価⑤

前回、前々回と肘関節の安定性を担当してる上腕筋、上腕三頭筋について整理しました。肘関節を評価・アプローチするためには必ず確認しておきたいポイントです。 前回の内容はこちらから 臨床1年目の教科書 本日は上腕筋、上腕三頭筋で注目しておきたいポイントについてもう少し整理しましょう。 1 特徴 まずは身体が動くために条件を確認します。 身体の各組織間には結合組織が存在しています。 この結合組織が伸長・移動・分離をすることで、組織と組織の間が滑走し、身体が動くことが可能となりま

肘関節の評価④

前回は肘関節の前方を安定させる筋について整理しました。上腕筋の停止部に注目すると、なぜ上腕筋が肘関節を安定させるのか?が理解できます。その知識があるから臨床で上腕筋の筋力測定をする意義が明確になります。 前回の内容はこちらから 臨床1年目の教科書 本日は肘関節の後方を安定させる筋について整理していきましょう。 1 特徴 肘関節の後方の安定性を担当しているのが上腕三頭筋です。この上腕三頭筋、そして前回整理した上腕筋が不全を起こすと肘関節の安定性が低下します。そして、肘関節の

肘関節の評価③

前々回から肘関節の評価のポイントについて整理をしています。肘関節は臨床では見逃しがちですが、生活での利用機会の多い関節です。しっかりと評価できるようになっておきましょう。 前回の内容はこちらから 臨床1年目の教科書 本日は肘関節を安定させる筋について整理していきましょう。 1 特徴 上記にも記載しましたが、肘関節は生活で利用機会の多い関節です。 上肢の各関節には担当している役割があり、肘関節は主にリーチ時の距離の調整をしています。 この距離の調整ができないことで体幹や肩

肘関節の評価②

前回から肘関節の評価のポイント・方法について整理をしています。肘関節は複合関節であり、一つ一つ評価していくことが必要です。そのため、前回は腕尺関節について整理しました。 前回の内容はこちらから 臨床1年目の教科書 本日は肘関節の評価で見逃しがちな腕橈関節について整理していきましょう。 1 特徴 まずは前回の復習になりますが、肘関節の解剖を確認しましょう。 【構成する骨】上腕骨・尺骨・橈骨腕尺関節と腕橈関節から構成腕尺関節での滑車と滑車切痕との間の堅固な適合により肘関節の

肘関節の評価①

前回まで肩関節の評価について整理しました。それぞれ、肩甲上腕関節、第2肩関節、肩甲胸郭関節、肩鎖関節、胸鎖関節の評価について、なぜ評価するべきかを機能解剖を基に整理しました。臨床では是非意識してもらいたいポイントです。 前回の内容はこちらから 臨床1年目の教科書 本日からは臨床であまり意識することの少ない肘関節について整理しましょう。 1 特徴 まずは肘関節の解剖を確認しましょう。 【構成する骨】 上腕骨・尺骨・橈骨 腕尺関節と腕橈関節から構成 腕尺関節での滑車と滑車切

肩甲上腕関節の評価方法⑤

前回までに肩甲上腕関節の1st,2nd,3rd内外旋の評価を整理しました。各ポジションで、どの組織が伸長されるのか?をイメージしながら実施することで臨床で使いやすくなります。 前回の内容はこちらから 臨床1年目の教科書 本日のテーマは、回旋筋腱板以外にも肩甲上腕関節の安定性に寄与している筋について整理していきましょう。それは上腕二頭筋です。 非常に重要で、臨床で疼痛を生じていることが多く見逃せいな筋です。 1 特徴 上腕二頭筋の作用として、肘関節の屈曲、前腕にの回外があり

肘筋の触診

臨床で注目することの少ない肘関節ですが、色々と機能を整理すると注目するべきポイントや評価・介入の重要性が見えてきます。 特に肩関節や前腕、手関節とのつながりを意識して臨床で触診していきたいですね。前回までの内容はこちらからご確認ください。 https://note.com/iair2020/m/m92e3e18a0b19 この肘関節の安定性に寄与しているのが上腕筋と上腕三頭筋でした。でも、解剖学を整理していくと、まだ安定性に寄与する筋があります。 それが今回のテーマの肘筋です

腕橈骨筋の触診

前回までは上腕筋・上腕三頭筋のそれぞれの機能解剖から触診方法を整理していきました。肘関節を安定させる関節筋として作用するため、肘の安定性に対して介入する際には必ずみておきたいポイントでしたね。 今回は肘関節を動かすために働く筋を整理していきましょう。 今回のテーマは”腕橈骨筋”です。 1 触れることの臨床意義腕橈骨筋は負荷の掛からない肘関節の屈曲ではほとんど働かない筋肉ですが、緊急時に働くので「エマージェンシー・マッスル」とも呼ばれています。 つまり、生活の中で重たいものを

上腕二頭筋の触診

前回までは肩関節に関係する筋を解剖学・運動学の視点から整理し、なぜ触診する必要があるのか?を明確にしました。これにより、臨床での触診の目的も明確になりますね。前回までの内容がまだの方はこちらから 臨床1年目の教科書 今回からのテーマは肘関節周囲になります。今回は”上腕二頭筋”の触診について整理していきましょう。 1 触れることの臨床意義 上腕二頭筋は2関節筋であり、肩関節と肘関節の両方に作用します。そのため、まずは走行を確認していきましょう。 【起始】 長頭:肩甲骨関節上結

腕尺関節の触診

今回も、臨床であまり意識していない肘関節について触れていきましょう。 前回は橈骨頭に触れることにより、屈伸の安定性、前腕の支持性、回内外の可動性が評価できるようになりました。 今回は、その肘関節の屈伸の大きな役割を担う腕尺関節について整理していきましょう。 1 触れることの臨床意義腕尺関節は蝶番関節に分類され、自由度は1度となっています。 つまり、屈伸のみ動きの際に大きく稼働します。 この屈伸がスムーズに行くことで、橈骨も動き、前腕骨間膜が緊張し、前腕での支持性が向上します

腕橈関節の触診

今回は、臨床であまり意識していない肘関節について触れていきましょう。 肘関節は複合関節であり、以下の3つの関節から構成されています。 ・腕尺関節 ・腕橈関節 ・近位腕尺関節 今回は腕橈関節の触診方法について整理していきましょう。 1 触れることの臨床意義 臨床であまり意識されていない腕頭関節ですが、触診ができることでどのように活かされるのでしょう? 腕橈関節が触れられることで、橈骨頭の触診がより正確になります。 私はこの橈骨頭の触診を以下の2つを評価する際に利用しています

上腕骨大結節の触診

今回から上腕骨の触診を整理していきましょう。 上腕骨は”肩甲上腕関節”と”肘関節”を構成しており、それぞれ繋がりがあります。肘に不全がある場合肩関節に影響が生じ、肩関節に不全がある場合肘関節に影響が生じます。 それぞれしっかりと触診ができることで、不全の原因を考えられるようになっていきます。 ぜひ触診を整理し、臨床につなげていきましょう。 1 触れることの臨床意義大結節が触診できることにより、臨床ではどのように活かせるのでしょう?私は具体的に以下の2点になります。 ・結節間