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臨床1年目の教科書

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リハカレスタッフによる、新人さん向けのマガジンです。
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2024年8月の記事一覧

足部の評価①

前回まで足関節、つまり距腿関節のついて整理しました。距腿関節が可動する際にどこの関節が動いているのか?を整理することで評価項目が明確になります。 前回の内容はこちら 臨床1年目の教科書 今回は前回紹介した距骨下関節を評価する際、必ずセットで評価してもらいたいショパール関節について整理していきましょう。 1 どう可動しているのか? ショパール関節は「横足根関節」とも呼ばれ、「距舟関節」と「踵立方関節」から構成されます。 特にチェックしておきたいのが、運動軸が長軸と斜軸の2種

足関節の評価⑥

前回まで距腿関節がどう可動しているのか?それをどう評価していくのか?を整理しました。距腿関節は距骨の可動性に注目するだけでなく、脛腓関節も注目して評価していきましょう。 前回の内容はこちら 臨床1年目の教科書 足関節は距腿関節だけでなく、距骨下関節の可動性も重要です。今回は距骨下関節について整理していきましょう。 1 特徴 距腿関節の背屈の平均は26°、底屈の平均は48°と報告されている。しかし、ここで注目するべきなのが、距骨下関節は背・底屈に関連した運動として、この全可

足関節の評価⑤

前回は、脛腓関節の評価として近位脛腓関節の評価方法を整理しました。ポイントは腓骨頭を関節面の方向に誘導することです。しっかりと運動方向を意識して評価していきましょう。 前回の内容はこちら 臨床1年目の教科書 今回は遠位脛腓関節の具体的な評価方法について整理していきましょう。 1 特徴 前回の復習になりますが、脛腓関節は可動し、両果部間のスペースを一定の範囲内で変化させます。 具体的には底屈時に最小となり、背屈時に最大となります。これにより距骨が後方にスライドできるスペース

足関節の評価④

前回は足関節の背屈時に距骨が後方にスライドするためには、距骨と脛骨の間が開くことがポイントであると整理しました。そのため、脛腓関節の評価をすることが重要です。 前回の内容はこちら 臨床1年目の教科書 今回は脛腓関節の具体的な評価方法について整理していきましょう。 1 特徴 前回の復習になりますが、脛腓関節は可動し、両果部間のスペースを一定の範囲内で変化させます。 具体的には底屈時に最小となり、背屈時に最大となります。これにより距骨が後方にスライドできるスペースが確保されま

足関節の評価③

前回は距腿関節において距骨がどうスライドしているのか?を整理しました。機能解剖で確認することで、なぜ距骨のスライドを評価するべきか?が整理できます。 前回の内容はこちら 臨床1年目の教科書 今回は距骨がスライドするための前提条件を整理していきましょう。 1 特徴 距骨は背屈時に、距骨の上面は下腿に対して前方に転がり、同時に後方に滑ります。底屈時には、距骨の上面が後方に転がり、同時に前方に滑ります。 この滑り込みがあるからこそ、底背屈が可能です。 しかし、この距骨は上から