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臨床1年目の教科書

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リハカレスタッフによる、新人さん向けのマガジンです。
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2023年10月の記事一覧

頸部の評価④

前回から頸部の筋力の評価について整理しています。評価方法はシンプルなMMTですが、なぜその筋力を測定するべきか?の目的を明確にしないと臨床では活かせません。前回は頭部屈曲のについて整理しました。 前回の内容はこちらから 臨床1年目の教科書 今回は、頸部の屈曲の評価方法について整理していきましょう。 1 特徴 前回の復習になりますが、頸部の屈曲は一般的にイメージされるのが複合屈曲です。複合屈曲とは、頭部の屈曲と頸部の屈曲を同時に実施した複合的な運動です。 頭部の屈曲、頸部

頸部の評価③

前回までに頸部がどう動くのか?を整理することで、頚椎1つ1つを評価することの重要性が理解できました。 前回の内容はこちらから 臨床1年目の教科書 今回からは、頸部を動かす筋の評価方法について整理していきましょう。 1 特徴 頸部の筋力を測定する際に重要となるのが、頭部の動きと頸部の動きを分けて測定することです。 一般的にイメージされる頸部の動きは複合屈曲、複合伸展です。 複合屈曲とは、頭部の屈曲と頸部の屈曲を同時に実施した複合的な運動です。 一方、複合伸展は頭部の伸展と頸

頸部の評価②

前回から頸部の評価方法について整理しています。前回は頸部の回旋の重要性について整理し、その回旋を評価するためには環軸関節がポイントとなることが理解できました。 前回の内容はこちらから 臨床1年目の教科書 今回はやはり寝返りや起き上がり、食事時などに利用の多い、頸部の屈曲・伸展の評価について整理していきましょう。 1 特徴 頸部の屈伸は以下の表を確認すると、各関節がそれぞれ動いていることが理解できます。 つまり、頸部の屈曲・伸展のROM測定の結果、可動域制限があった場合、

頸部の評価①

今まで、肩関節、肘関節、前腕、手関節の評価について整理しました。それぞれの機能解剖を確認すると、なぜその部位を評価するべきか?が明確になります。ぜひ一度ご自身でも機能解剖を確認されることをおすすめいたします。 前回の内容はこちらから 臨床1年目の教科書 今回からは頸部の評価方法について整理していきましょう。 1 特徴 脊柱は生理的S字を有しており、その湾曲(S字状)により荷重の分散や、衝撃の緩衝が可能となっています。 頚椎は前弯しており、この頚椎の前弯が減少すると、他の脊