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臨床1年目の教科書

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2023年9月の記事一覧

手関節の評価⑤

前回、前々回と手根骨の中でも月状骨、舟状骨に注目して整理しました。解剖学的な特徴から考えてもこの2つの手根骨の可動性を評価・介入することの重要性が理解できました。 前回の内容はこちらから 臨床1年目の教科書 今回は、さらに月状骨、舟状骨が動くことの重要性について整理していきましょう。 1 特徴 近位手根列には手外在筋からの筋腱の付着がありません(豆状骨にはあり)。そのため、近位列の手根骨の自発的な運動はありえないとされています。しかし、近位手根列は手関節が動く時には可動し

手関節の評価④

前回は手関節を評価・介入する際に必ずチェックする手根骨の月状骨について整理しました。解剖学的な形状を理解することで、なぜ月状骨の可動性を確認する必要があるのか?が理解できました。 前回の内容はこちらから 臨床1年目の教科書 今回は、月状骨の隣にある舟状骨について整理しましょう。 1 特徴 手関節は生活の中で純粋な背屈・掌屈をすることは少なく、背屈をする際には橈屈が伴い、掌屈する際には尺屈が伴います。 これは、ダーツを投げる時の動きに似ているため、ダーツスローと呼ばれること

手関節の評価③

前回までに手関節は橈骨手根関節と手根中央関節の複合関節であり、それぞれ評価することの重要性について整理しました。今回は、手関節の動きに関連が深い8つの手根骨でも特に注目するべきポイントについて整理していきましょう。 前回の内容はこちらから 臨床1年目の教科書 1 特徴 手関節は角度によって握力が変化します。最大に努力して物を握りしめた際に生じる圧迫力は、手根の角度によって変化し、背屈30°で最大となります。つまり、手関節のコントロールができないと握力も発揮しづらくなるので

手関節の評価②

前回、手関節は橈骨手根関節と手根中央関節の複合関節であり、それぞれの動きを確認することの重要性を整理しました。 前回の内容はこちらから 臨床1年目の教科書 前回、橈骨手根関節でしたが、今回は手根中央関節について整理しましょう。 1 特徴 手関節は上肢の役割で、手指の位置の微調整を実施します。 試しに、ペンを持っていることを想定し、そのペンを置いてみましょう。 そして、ペンの先端を摘んでみます。そうすると、手関節で手指の位置の微調整を実施したことが体験できたと思います。 つ