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映画 マイスモールランド

ゴールデンウィーク明けから忙しく慌ただしい日々が続いていたが、そんな中でも気になっていた作品をちゃんと摂取しようと劇場に足を運んだ。是枝裕和率いる映像制作集団「分福」に所属する川和田恵真監督デビュー作。

在留資格を失ったクルド人家族にスポットを当てたチャレンジングな作品。
難民というテーマをドキュメンタリーではなく劇映画として甘酸っぱい青春や家族の絆という当たり前だけどかけがえのない日常を丁寧に織り交ぜ物語が進んでいく。

主人公サーリャ演じる嵐莉菜が友達や家族、好きな人それぞれの関係によって顔が変わるのが魅力的だった。2時間彼女の一挙手一投足を見れば誰しもが彼女のファンになる。是枝裕和の弟子だけあって1人の人間を多面的に描くのが見事だった。

家族で食べた何気ないラーメンの序盤シーンが絶望感漂う後半の支えになるところも切なくて素晴らしい。こういった現実がここ日本でも起きていることを知り、劇場を出た後世界の見え方が変わる作品。

どこで生まれようと同じ釜の飯を食えば人類みな兄弟。