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井手茂太 イデソロキャンプ

はじめてちゃんと知ったのは星野源のシングル曲『夢の外へ』のMV。華麗に舞うスーツ姿の中年男性に一瞬で目を奪われた。有名なヘパリーゼのCMは見ていたが同一人物だとはすぐにわからなかった。

そんな井手茂太の観劇デビューはイデビアン・クルー『肩書ジャンクション』。タイトルのネーミングセンスと摩訶不思議なチラシを見てワクワクしながら東京芸術劇場に乗り込んだ。ダンスに造詣が深いわけでもないが、今まで体験した映画や音楽、演劇とは一線を画す新感覚のユーモアを味わうことができその後も欠かさずに足を運んだ。

今まではクルーの中の井手茂太の踊りを味わってきたが、今回は100%まるごと井手茂太。十数年ぶりのソロということだが、コンスタントに観たいと思うぐらい素晴らしい内容だった。キャンプでの1日をコミカルに演じ、言葉ではなく動きでこんなに面白いと思ったのは、ドリフや志村けん以来かもしれない。子どもがゲラゲラと楽しんでいたのも納得。

そして1人になったことで踊り、音楽、照明、美術、衣装すべての要素が絶妙なバランスで美しく存在していた。サービス満点のラストの衣装と舞台の使い方にトドメを刺されこれぞエンターテイナー。舞台とダンスを一筋に突き詰めた人間の情熱と愛をたっぷりと感じ、謎のウイルスには絶対負けないクリエイティブで生命力漲る傑作を生で体感できて良かった。

次行ってみよう。