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ロシアの共産主義

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ロシア革命がどのように起こったのかその流れを辿りながら、共産主義の意味を問い直しています。
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2021年5月の記事一覧

ソ連時代の中央銀行――ゴスバンクの成立

ゴスバンクと歴代理事長1917年から1920年にかけて、ソヴィエトロシアには中央銀行がありませんでした。1921年にレーニンは新経済政策(ネップ)により、戦時共産主義により疲弊した民衆を救済することを決定しました。これによりソヴィエトでも中央銀行が設立されました。 ソヴィエト時代の中央銀行(国家銀行)は一般的にゴスバンクと呼ばれています。1921年から1924年にかけて、レーニンによって任命されたユダヤ人のアーロン・シェインマンがゴスバンクの理事長を務めました。後に1926

内務人民委員部NKVD②ヤゴーダ、エジョフ

前回、ソ連時代のロシアの秘密警察創設期の話をまとめました。今回はおよそ100万人が犠牲となったソ連時代に行われた大粛清時代についてまとめたいと思います。 ヤゴーダ内務人民委員部NKVDの前身であった合同国家政治保安部OGPU長官ジェルジンスキー、メンジンスキーの不可解な死の後を受けて長官となったのはユダヤ人のゲンリフ・ヤゴーダでした。ヤゴーダは、義理の母が中央委員会議長のヤーコフ・スヴェルドルフの妹で、ボルシェヴィキ政権の中枢との繋がりのある人物でした。 ルイビンスクで生

内務人民委員部NKVD①チェーカー・GPU・OGPU

スターリン時代の秘密警察、内務人民委員部(略称NKVD)は反革命分子と見なした人々の逮捕・尋問・処刑やスパイの摘発などを担当する機関でした。 NKVDの前身となるのはレーニン時代の1917年に創設されたチェーカーから始まり、1922年から国家政治保安部(GPU)、1924年から合同国家政治保安部(OGPU)に改組され、1934年に内務人民委員部となりました。 NKVDの最高責任者は初代長官ゲンリフ・ヤゴーダ、二代目長官ニコライ・エジョフ、三代目長官ラヴレンチー・ベリヤ、四

ロシア革命――ボルシェヴィキ政権とユダヤ人

資料資料:諏訪部一之輔 著 『世界の毒素:ユダヤ民族の大陰謀と大和民族の警醒』1927年 昭和2年 ※ 第一次世界大戦の犠牲者はWikipediaによると戦闘員が900万人以上、非戦闘員が700万人以上とされている ※ カイゼル…ヴィルヘルム二世 ※ フランツ一世は第一次世界大戦時に死去、スイスに亡命したのはカール一世だが、カール一世もやがてマデイラ島に流され1922年に急逝 ※ ドイツ革命の共産主義者の多くがユダヤ人であり、ハンガリー革命のクーン・ベラもまたユダヤ

ロシア革命――概要

この記事の内容は、様々な資料をもとに書かれています。 内容の中には一部ないしは全体を通して、資料に基づく偏見や誤りがある可能性があります。また、筆者自身による偏見や誤りがある可能性も当然否定できません。 できる限り公平かつ事実に基づいて記事を書きたいと考えていますが、この点を踏まえていただけましたら幸いです。 今回のテーマはロシア革命です。以前に別サイトで書いた記事の転載です。 ロシア革命前夜 1851年にロシアでモスクワとペテルブルクとの間に鉄道が開通しました。鉄道