ふりかえりと出会ってから今までをふりかえる
はじめに
こんにちは。わみです。
この記事はふりかえりアドベントカレンダーの12日目の記事です。
この記事ではタイトルの通り、私がふりかえりと出会ってからこれまでをふりかえってしまおう!という内容になります。
ふりかえりと出会ってからなので、実際には2019年を少しだけ飛び越えた約一年半の期間をふりかえろうと思います。
自己紹介
株式会社ユーザベースでSPEEDA事業のエンジニアとして働いています。
担当領域としてはバックエンドからフロントエンドまで、CIのパイプライン構築やメンテナンスにも関わっています。
現在所属しているプロジェクトでは主にClojure, Rust, Elixirを使ってバッチの改善に取り組んでいます。
私がエンジニアとしてのキャリアの中でふりかえりと出会ったのは、ユーザベース入社後の2018年夏頃です。
私たちSPEEDA事業のプロダクト開発チームでは、エンジニアがいくつかのプロジェクトチームに分かれて仕事をしており、週一回ふりかえりという形でその週の仕事を振り返っています。
その中で重要になるのが、ファシリテーターとしてプロジェクトチーム外の人にふりかえりに参加してもらうことです。こうすることで、プロジェクトチームのメンバーがふりかえりの議論に集中することができるようになっています。
この辺りの仕組みは、以前私が自社のTech Blogにて記事を書かせていただきましたので、是非そちらも合わせてご覧ください。
今回は私がふりかえりと出会ってから、ファシリテーターとして過ごした一年半をふりかえろうと思います。その中で、スキルやマインドセットの変化について触れられたらなと思っています。
ふりかえりとの出会い期(2018年夏〜2018年末頃)
ユーザベース入社後、ほどなくして他チームからふりかえりのファシリテーターの依頼を受けました。
上でも少し触れた通り、ふりかえりのファシリテーターはエンジニアが持ち回りで行なっており、新入りの自分にも順番が回ってきたのです。
初めてのふりかえりのファシリテーションは、今にして思えば散々なものでした。先輩の見よう見真似で会を進行させていったものの、議論が収束し切らず、時間内にアクションを出せずチームに持ち帰っていただくことになってしまいました。
このままではまずい、と思い立ち、チーム内で半ば聖書とされているアジャイルレトロスペクティブズを読んだり、びばさん(@viva_tweet_x)主催の勉強会に参加したりしました。
インプットを重ねていくうちに、どのようにファシリテーターとして立ち振る舞えば良いか、どのようにアクティビティを盛り込んで行けば良いか、が少しずつですがわかってくるようになりました。
成長期(2019年初〜2019年夏頃)
上記のインプットが功を奏してきたのか、徐々にファシリテーターとしてのスキルが評価される場面が増えてきました。
決められた時間内にチームが納得のいくアクションを出せるようになったり、自分の中でも、どのようなアクティビティを取り入れるとどのような結果になるのか、目的に即したアクティビティはどのようなものかというものが少しずつ手触りを持ってわかっていくようになりました。
(完全に余談ですが、私はタイムライン形式のアクティビティが一番好きです。時系列に沿った事実の列挙から、因果関係の導出、チームの感情の浮き沈みといった色々な要素の分析に繋げやすいからです)
ファシリテーターとして場数を踏んでいく中で、イテレーションの振り返り以外の場面でもファシリテーターを任せられることが増えてきました。例えば以下のようなものです。
- エンジニア以外のロールの人(セールス、アナリスト等)が参加するプロジェクトのふりかえり
- 事業全体のリーダークラスが参加するワークショップ
- 他チームの半年間の活動のふりかえり
ほぼ毎週のように何らかのミーティングのファシリテーターを担当していた時期もあり、以前とは比較にならないくらい場数を経験させていただきました。
停滞期(2019年夏〜2019年秋頃)
一方、ファシリテーターとしての活動が増えていき評価もされていく中で、自分の中では徐々に行き詰まりを感じていました。
機会が増えれば当然上手くいかない場面も増えてきます。
ただそれに対してふりかえりを行う間も無く、次のファシリテーターとしての仕事を行うことも時折ありました。
結果、行き詰まりの感覚は回を重ねるごとに増していきました。
タイムマネジメントを失敗してしまう、決まったアクションに対する納得感が薄い、特定の参加者に発言が偏ってしまう等、ファシリテーターとしての失敗も少しずつ増えていきました。
見直し期、そして今
このままでは流石にまずい、と気がつき、思い切って時間を取って自分のファシリテーターとしてのふりかえりをしよう!という結論に至りました。
適切なふりかえりのためには、まずはデータ収集が必要です。(普段のふりかえりもチェックインの後はデータを収集しますよね?)
直近自分がファシリテーターとして関わったふりかえりについて、以下のような項目でメモを作成しました。
- ふりかえりの目的(イテレーションのふりかえり、発生してしまった問題のふりかえり等)
- 使ったアクティビティ(データ収集、その後の深掘り等、時間ごとに記録
- 上手くいったこと、上手くいかなかったこと
メモを作成していく中で、回毎の問題点が明確になり、それに対して次回自分がどのような点に注意してファシリテーションをするかのアクションに繋がっていきました。
全体として時間が超過してしまっているのであれば、データ収集など序盤のアクティビティや隙間時間を減らせないか検討する、もしくは最初から少し長めの時間を設定する。
納得感が薄いアクションが出てしまっているのであれば、深掘りの時間を増やし、チームで納得した方向のアクションが出せるようにする。
特定の参加者に発言が偏っているのであれば、発言量の少ない人にこちらから意見を求めるようにする。
こうした問題に対するアクションの積み重ねで、少しずつ自分のファシリテーションが改善されていく実感がありました。
今でもこのメモの習慣は続いています。というよりも、メモを取らないと不安になるようになりました。笑
ふりかえりと出会って
ここまで簡単ですが、これまでのファシリテーションについて振り返ってきました。
ふりかえりにファシリテーターとして参加するようになって、ふりかえり以外でも以下の二つの学びが色々な場面で活きていることを実感します。
1. 発散と収束への意識
2. 事実に基づいた分析
ふりかえりの中でも発散と収束のタイミングを明確に意識することで、議論をまとまりのあるものにすることができるようになることはよく知られています。
この方法はふりかえり以外の場面でも、議論を行う際や一人で物を考えたりするときに活きていると実感しています。
また、事実に基づいた分析は改めて効果的な結果に繋がりやすいということも学びとしてあります。
期末などのふりかえりにきちんと事実をベースにした分析をすることで、次期に改善として効果が出やすいアクションを思いついたりするようになりました。
最後に
2019年はエンジニアとしても、ファシリテーターとしても、大きく成長できた一年だったと実感しています。
来年はエンジニアとしてより成長を重ねる為に、アウトプットの量を増やし、早いサイクルでフィードバックを得られるような学習を続けていけるようにしたいと考えています。
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