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小が大を超えるマーケティングの法則

こんにちは。なごみ地蔵です☺

本日は、
「中小企業診断士2次試験を受験予定だ」
「小さな企業のマーケティングに興味がある」
という方に向けての記事です。

今回は、私が2次試験対策として現在活用しているこちらの参考書にて紹介されていた『小が大を超えるマーケティングの法則』の内容をご紹介します。

著者の岩崎邦彦先生は、診断士試験の出題委員として長く作問に携わっており、与件文や設問の内容を理解するための補助書籍になるそうなので、思わず楽天ブックスでポチりました。

(全ノウハウで同様にオススメされていた『スモールビジネス・マーケティング』も同時にポチったのですが、お届け予定時期が「未定」となっているため、2次試験前までにこちらの本を入手&紹介するのは難しそうです。)

この本の3つの特徴(まえがき より)

1.小規模の「強み」を生かしたマーケティング

小企業は大企業の「縮小版」ではない!

2.消費者調査に基づく、顧客視点のマーケティング戦略

好調企業や優良企業の事例をもとに、企業の視点から、経営の方向性を提案するタイプの既存書ではない!

3.消費者データや企業データから、その有効性を統計的に検証

※この記事では、具体的な調査・データの紹介は省略しますことを、ご了承ください。


第1章 マーケティング的発想とは何か

マーケティング=「顧客ing」とは?
・顧客を生み出す   →顧客を「創造」するための活動
・顧客でい続けてもらう→顧客を「維持」するための活動

消費者は、モノではなく、「価値」を買っている
→マーケティングの第一歩は、「価値」を把握すること

「販売」と「マーケティング」は正反対
・販売……………………今ある商品を売り込む
         「スタートポイントは、商品」
・マーケティング…顧客が買いたくなる仕組みをつくる
         「スタートポイントは、顧客」

「何を」売るのかではなく、「なぜ」買うのか
→マーケティング活動の第一歩は、顧客の求める価値の前に、自らを正しく位置付けること

「理性」と「感性」のバランスが大切
・企業全体として、サイエンスとアートのバランスが取れたマーケティングが実践できているか否か
・消費者の「頭」だけではなく「心」もとらえることができているか否か


第2章 小さいことは、いいことだ

消費者の多くが、「個性」「専門性」「こだわり」を小さな店の強みとして認識している
→小さな企業が考えるべきは、いかに大きな企業と「土俵を変えるのか」
→小さな店が、潜在的な「強み」を現実の力に変えることができれば、それが「顧客満足」に直結する

消費者ニーズのトレンド
1.「全国」から「地域」へ
2.「総合」から「専門」へ
3.「画一性」から「個性」へ
4.「量」から「質」へ
5.「無難」から「本物」へ
6.「効率性」から「感性」へ

21世紀の消費者ニーズのトレンドである「地域密着」「個性化」「専門性追求」「本物追求」「品質追求」「感性訴求」などにおいては、規模の小ささが「強み」になる。


第3章 「小さな店にひかれる人々」を狙え

「小さな店にひかれる人々」の特性
1.「本物志向」が強い
2.「人的コミュニケーション志向」が強い
3.「関係性志向」が強い
4.「地元志向」が強い
5.「低価格志向」ではない
小規模を「強み」に変える3つの力
・「本物志向」+「非価格志向」→「ほんもの力」
・「関係性志向」+「地元志向」→「きずな力」
・「人的コミュニケーション志向」→「コミュニケーション力」

「ほんもの力(Authenticity)」
 =個性×こだわり×専門性

「きずな力(Bond)」
 =顧客とのきずな×地域とのきずな

「コミュニケーション力(Communication)」
 =接遇×情報の受信×情報の発信


第4章 「ほんもの力(A)」を高める

個性を発信し、消費者に選ばれるためには、「シンボル」(核)が欠かせない。

シンボルになるための条件
1.「価値性」…顧客が価値を感じ、ひきつけられる。
2.「独自性」…差別化されていて、個性がある。
3.「優位性」…専門性、技術力など、自社の強みを基盤にしている。

シンボルがあると、顧客満足度や業績が向上する。

シンボルが企業にもたらすメリット
1.企業の「個性」を顧客に発信してくれる
2.「ハロー(後光)効果」により、企業全体のイメージも高まる
3.関連商品の販売、関連取引の拡大
4.他の商品や技術のレベルアップも期待できる
5.従業員の士気を高め、仕事の質の向上も期待できる

シンボル商品ができたなら、次は「品揃え」
・まずは、シンボル商品のアイテム数を充実させる
 (品揃えの「深さ」の追求)
・次が、シンボル商品以外にどのような商品を取り扱うのか、の問題
 (品揃えの「幅」)
→顧客の「利用シーン」に合わせた品揃えを行うと、商品間の「ハーモニー」が生まれ、消費者の購買意欲が喚起される。

利用シーンからの品揃えが小さな企業にもたらすメリット
・限られた店舗面積で「専門性」を発揮しやすい
・関連購買を誘発しやすく、顧客単価が高まる
・ライフスタイルの「提案」など、目に見えない価値を付加しやすい

「利用シーン」や「生活シーン」に合わせた品揃えを行うためには、異業種との「連携」も有効な選択肢のひとつ。
→連携が成功するためには、個々の企業がともに高い「専門性」をもつことが不可欠。

消費者は小さな企業に「いろいろあること=総合性」を求めてはいない。
→現実は、「総合的な品揃え」「いろいろあります」に陥ってしまう企業は数多い。

「総合化のワナ」に陥るプロセス
①業績不振で、売り上げを伸ばす必要に迫られる
       ↓
②世の中で売れている商品を見つけ、それを取り扱う
       ↓
③品揃えの拡大によって、企業の個性・こだわりが薄まる
       ↓
④個性、こだわりが薄まることによって、顧客が減少する
       ↓
⑤再び、①からのプロセスを繰り返す

「総合化のワナ」に陥った企業に必要なのは、「引き算」
・品揃えの「引き算」によって、売り上げは「足し算」になりうる。
・取扱商品を絞ることによって、経営資源に余裕が生まれ、残った商品の魅力を高めることもできる。
→小さな企業は、数ある商品にフィルターを掛けて絞り込む「目利き力」を高め、「引き算する力」を強みに転換していくことが不可欠。

経営資源の限られる小さな企業が「ほんもの力」を高めるためには、「想定ターゲット」を絞り込むことが有効。
→絞り込みによって生まれた、鋭く鮮明な個性が企業の魅力度を高め、想定ターゲットにとどまらない客層をひきつけることができる。

小さな企業の「3絞り」
①商品を絞る
②想定ターゲットを絞る
③知恵を絞る

個性化≠特殊化
→10割違う必要はない。顧客に認識される「2割の個性」があれば十分。

品質の「手がかり」を提供する
・人は、目に見えるものを通して、目に見えない「品質」や「こだわり」を認識する
・人には、心の中の矛盾を無意識に解消する心理的メカニズムが働くため、見た目が良ければ、品質も良いと判断されやすい。

代表的な「手がかり」
1.店舗の外観
2.看板
3.従業員の外見
4.パッケージ

価値=品質÷価格
→価値を上げるために小さな企業が追求すべきは、「価格」を下げることではなく、「品質」の向上。

消費者が知覚する品質(知覚品質)を高めるためのポイント
・消費者の五感に訴える
・ブランド力を高める
・商品に関する情報を提供する
・商品に物語性を付加する
・商品のオリジナリティを高める
・商品の希少性を高める
・代替品の少ない商品を扱う

小さな企業は、「モノサシが複数ある分野」で強みを発揮する。
例)品質、美しさ、味、感性、デザイン、スタイル、心地良さ、ぬくもり、楽しさ、知識、ノウハウ、スキル、接客、サービス、ふれあい、信頼

「値引き」に比べて「おまけ」は企業に多様なメリットをもたらす。
1.消費者の「価格感応度」や「値ごろ感」は変化しない
2.消費者の心に残りやすく、忘れられることがない
3.「返報性のルール」が作用しやすい
4.専門性を伝達する機会になる
5.キャッシュフローの減少が少なくて済む

・おまけは、顧客にとって価値があるだけでなく、自社の「ほんもの力」が伝達できる商品や、今後自社が力を入れたい戦略的な商品などを選ぶ。
・おまけとして提供するときには、実際にいくらで売られている商品なのかを、しっかり伝える。


第5章 「きずな力(B)」を高める

「小さな店にひかれる人々」をターゲットとする小さな企業は、「多くの人に買ってもらう」という発想から、「いい顧客に繰り返し買ってもらう」という発想への転換が求められる。

人口や消費支出の減少で、「パイ」の増加は期待できない現在、顧客との「きずな」を強化し、顧客の流出率をいかに減少させるかが、マーケティングのキーポイント。

「顧客維持」の基本は、今いる顧客の満足度を高めること。
→顧客満足度を高めるためには、顧客に満足をもたらす要因を把握することが不可欠。
 例)商品の品質、価格、アフターサービス、接客、店の雰囲気

「顧客と従業員との人的コミュニケーション」は、小さな企業が特に重視すべき顧客維持活動。

顧客を維持するためには、「変化」を続ける。
例)店頭の変化、品揃えの変化、売り場レイアウトの変更、
  陳列・ディスプレイの変更、パッケージデザインの変更、
  季節商品の取扱い、期間限定商品の拡充、季節の行事の実施

小さな企業の方が、はるかに「変化」を「チャンス」に転換しやすい。

「変わるもの」と「変わらないもの」のバランスが大切。
・「ビジョン」(企業の理想像)は変わらない。「ビジョン」を追求する方法は、絶えず見直していく。
・「核」(シンボル)は変わらない。変えるのは、「核」以外の部分。
・「戦略」(考え方)は変えない。変えるのは、「戦術」(やり方)の部分。

顧客との「継続的接触」は、顧客維持のための有効な手段。
例)顧客への訪問、電話、ダイレクトメール、メールマガジン、Eメールの送付
・自社の存在を常に顧客の選択肢として心に留めておいてもらうことが可能になる。
・「単純接触効果」(接触そのものによる好意の増加)が得られる。

効果的な接触のタイミング
・顧客の個人的イベント(誕生日など)
・商品の販売後(保証期間終了前など)
・顧客の購買サイクル(買い替え時期など)
・企業サイドに変化があるとき(新商品の導入、イベントの開催など)
・顧客サイドに変化があったとき(購買頻度の変化など)
・カレンダー上の変化(季節の変わり目、年度の変わり目など)

ポイントカードの活用状況と顧客のリピート意向には関係が見られない。
→ポイントカードから得られる顧客データを蓄積し、分析することによってマーケティング効率を向上させていくことが重要。

ポイントカードから得られる情報の例
・優良顧客はどのようなプロフィールなのか
・優良顧客はどのような購買パターンをしているのか
・新商品にリピーターがついているのか
・顧客はどのエリアから来ているのか
・ダイレクトメールのターゲットをどのように絞るのか
・チラシの重点的配布エリアをどこにするのか

「地域とのきずな」が強くなれば、「顧客とのきずな」も強くなる。

地域との密着を武器にする具体的な方法
・地場産品の販売
・地元産の素材を利用した商品開発
・地域限定品の取り扱い
・商品名や店名に地名を加える
・地域の歴史・伝統を生かした店づくり
・地域住民にモニターになってもらう
・地域の消費者に対する配達サービス
・地域の顧客宅への巡回訪問
・地域内での集中出店
・地域内の異業種連携
・地域住民を対象としたセミナーの開催
・地域の教育機関とのコラボレーション
・地域住民との交流の場の設定
・地域イベントへの参加
・地域行事のサポート


第6章 「コミュニケーション力(C)」を高める

小規模を「強み」に変えるためには、企業と顧客が情報を共有する活動(=「コミュニケーション活動」)がポイント。

2つのタイプの人的コミュニケーション
1.フレンドリーサービス
・あいさつ、言葉遣い、もてなし、親しみやすさなど接遇・接客に関する要素
・あってあたりまえの「前提条件」
2.人を通じた情報の伝達
・顧客に対するきめ細やかなアドバイス、一人ひとりの顧客に合わせた提案、専門知識を背景としたコンサルティングセールスなどプロフェッショナルな人的コミュニケーション
・競争優位の源泉となる

ニーズは「すでにあるもの」と考えるのではなく、「つくりだすもの」と考えることが必要。

最前線の店員は、「アドバイザー」でもあり、「カウンセラー」でもある。
・情報の受発信を効果的に行うためのキーワードは、「従業員満足」「スキルアップ」「権限委譲」
・高度な専門知識を背景とした「プロフェッショナルなコミュニケーション能力」は、ライバルに模倣されにくい競争優位の武器となる。

顧客を話し手にまわらせることによって、顧客の真のニーズを探ることができる。
例)対面販売、顧客アンケート、ウェブサイト

共感力を高め、顧客と同じ方を向く。

顧客にマーケティングのプロセスに「参加」してもらうことも有効
・モニター制度による製品の評価
・顧客と協働した新製品開発
・顧客紹介システムによるプロモーション活動への参加
・アンケートを活用したマーケティング活動への評価
口コミが最高のコミュニケーション手段である理由
1.広告などと違って、コストがかからない。
2.地域市場においては、口コミで評判が伝わりやすい。
3.口コミで獲得した顧客は、リピーターになる可能性が高い。
4.伝える時点で相手を取捨選択しているので、聞き手もその話を受け入れる可能性が高い。

「口コミの発生」=伝えやすい×伝えたくなる

「伝えやすい」ポイント
1.店名や商品名が短く、覚えやすい
2.特徴が絞り込まれていて、言語化しやすい
3.語るための材料がある
「伝えたくなる」ポイント
1.高い顧客満足度
2.商品・品揃えに個性、オリジナリティがある
3.顧客とのコミュニケーションを重視する
4.顧客の声を聞く

悪い口コミ=直接企業に文句を言うことができない不満を解消するための「抜け道」

悪い口コミを抑制する&顧客の流出を防ぐ方法
・普段から、顧客満足保証の姿勢や、交換、返金、修理などに対する方針を顧客に周知させておき、顧客が不満や苦情をできるだけ言いやすくしておく。
・苦情を聞く仕組みを構築しておく。
 例)コメントカード、フリーダイヤル、アンケート、ウェブページ
・苦情へ適切に対処することで、顧客とのきずなを強め、優良顧客を創造するチャンスや、良い口コミを生み出すきっかけへとつなげる。


第7章 小規模を「チカラ」に変えるために

マーケティング成果=意識(やる気)×行動(やり方)×継続

「小さなチャレンジ」から始める

業績=f(内的要因、外的要因)
コントロールできるのは、「内的要因」(マーケティングなど自らのやり方)


最後に

今回は、『小が大を超えるマーケティングの法則』の内容をまとめてみましたが、いかがでしたか?

診断士2次試験の受験票も届き、いよいよ試験日が目前にまで迫ってきましたが、季節の変わり目でもありますので、体調に気を付けながら、この直前期を一緒に乗り切りましょう!


最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

「この記事を読んで良かったな」
「マーケティングって面白いな」
と少しでも思っていただけたら、
「スキ♡」やコメントをいただけると嬉しいです☺

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