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6回マリガンしても勝てるヒュージ・リーダーズ<ティアマト>

この記事はMagic The Gathering の統率者戦、ヒュージ・リーダーズをプレイしている人、あるいは興味を持っている人向けの記事です。

ヒュージ・リーダーズとは?

この項は「そもそもヒュージ・リーダーズって何?」という方向けですので、既知の方は読み飛ばしてください。統率者の変則ルールで、土地を除き5マナ以上のカードしか使用できない50枚の限定構築というものです。通常の統率者と比べても参入のハードルが低いため、興味を持っている方は下記のツイートを参照してください!


デッキリスト

「6回マリガンしても勝てるヒュージ・リーダーズ」のデッキリストは下記の通りです。<ティアマト>を統率者としており、次項より解説していきます。

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ヒュージ・ティアマトの魅力

・意外な安定性
「5色の統率者が安定して唱えられるの?」という至極当然の疑問がわきますが、このリストでは<湧き出る源、ジェガンサ>を相棒として採用しているため「5色のマナ基盤及び5→10のマナ加速」と、<ティアマト>による「任意のドラゴン5体分のアドバンテージ」がゲーム開始前に確約されています。また、ヒュージリーダーズのルール上<荒地>が4枚使えます。
手札以外のプレイできるカードが潜在的に11枚あるわけですね。

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この強固な構造は、<古えの墳墓><宝石の洞窟>などの強力なマナ加速を初手に加えるために複数回マリガンを強行してもあまり問題ないことを意味しています。土地1枚の初手から始めたとしても荒地4枚ジェガンサティアマトでゲームプランを構築できるので、積極的にマリガンしましょう!

・凄まじい爆発力

「1枚ごとのコストが重いヒュージリーダーズでは、手札に加えた5枚を使いきれないのでは?」という指摘はあると思いますが、これに対してはリストから回答させてください。下記はドラゴンの女王、ティアマトが産みだすパイルの一例で、最も攻撃的な組み合わせです。

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ドラコの末裔<アースクウェイク・ドラゴン>
<ドラゴン・エンジン、レイモス><始祖ドラゴンの末裔>
<ジャンドの暴君、カーサス>の5枚を手札に加えます。

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ジェガンサがアクティブなら、土地の6マナと合わせて11マナが使用できる計算になります。そのうちの7マナを使ってティアマトをプレイすると、残る2マナで<ドラコの末裔>をプレイ、わずか1マナで<アースクウェイク・ドラゴン>をプレイ。ティアマトが戦場に出たターン、10/107/74/4のドラゴン3体が戦場に並びます。

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次のターンが回ってくると、また土地からの6マナとジェガンサの5マナで計11マナ使える計算になります。土地からドラゴン・エンジン、レイモスをプレイしてジェガンサのマナから始祖ドラゴンの末裔をプレイすると、レイモスから10マナ発生するので、<ジャンドの暴君、カーサス>をプレイします。

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余ったマナを使って、始祖ドラゴンは<嵐の憤怒、コラガン>に変身し
全員で攻撃します。

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<ティアマト><ドラコの末裔<アースクウェイク・ドラゴン><ドラゴン・エンジン、レイモス(+3)><嵐の憤怒、コラガン><ジャンドの暴君、カーサス>の計6体で攻撃すると飛行クリーチャーによる合計75点のダメージで概ね2~3人のプレイヤーが敗北し、あなたは絆魂で36点のライフを得ます。

これが全員が行動を始める実質的なファーストターンから2ターン後のアクションであり、引く必要があるカードは土地2枚だけです。「6回マリガンしても勝てる」ということばがあながち間違ってはいないことが分かっていただけたでしょうか……

このとおり毎ゲーム再現可能な強固なゲームプランを持ちながら、盤面に応じたサーチによる柔軟性を兼ね備えているのが<ティアマト・ジェガンサ>の強みであり、ヒュージらしいダイナミックアクションコンボデッキじみた楽しさがこのリストの魅力です!

ヒュージ・ティアマトのプレイ

・キープ基準はとても簡単

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前述の通り、対戦相手を打ち倒すゲームプランに必要な特定のカードはないので、<古えの墳墓><宝石の洞窟><マグマ・オパス><精霊の傑作>のいずれかを引き込んで、4ターン目にジェガンサをプレイすることを目標にしましょう。構築の制限上入れられるマナ加速呪文が少ないですが、2~3回のマリガンで概ねいずれかは手に入ります。加えて、フェッチなどで5色の基本土地タイプが揃うことが確定しているとベターですね。
また、宝物トークンからジェガンサをプレイした場合、前述の基本プランから土地が1枚減ってしまいますが、確認してみてください。土地が1枚少なくても完遂できます!
4ターン目にジェガンサをプレイ、5ターン目にティアマトをプレイ、6ターン目に2人以上を打ち倒すのが理想的な展開と考えてください。

・基本プランをベースにして、ゲーム中で適宜修正していく
上記のプランはあくまで一切妨害がない前提なので、実際のゲーム中は盤面や手札に応じてプランを修正する必要性があります。例えば<湧き出る源、ジェガンサ>が対処されてしまったら<ティアマト>をプレイすることが困難になりますが、<限りないもの、モロフォン><ミラーリの目覚め><虹色の大地鏡>など代替できるカードが複数あり、リカバリーは可能です。手札は必要ないとは言いましたが、あればあるだけプランの幅が広がってリスクが低減できます。土地が8枚以上あれば<ベレドロス・ウィザーブルーム>からもっと大量展開することもできますし、<老いざるメドマイ>があれば<龍王コラガン><無双の古きもの、クラウス>でもっと爆発的な展開になったりします。基本のプランよりもっと上の打点をたたき出すこともザラで、手札と相談して最高打点を展開するルートを考えるだけで楽しいですよ!

おわりに

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ヒュージリーダーズにおける荒地4枚のルールは素晴らしく、マナスクリューの問題を完璧に解決し、記事のような異常なアイデアの実現を助けてくれます。まだネット上のリストも少ないですが、初めはストレージの重たいレアでもよいのでぜひ友達と始めてみてください!

ここまで読んでいただきありがとうございました。以下はおまけです。

おまけ:各カード覚書

始祖ドラゴンの末裔
2回起動してスタックに詰み、ウィザーブルームになったあと土地を起こし、コラガンに変化するなどのテクニックがあります。(基本パイルでも活用できます)
ドラゴンの遺産、ローザン
コンバットを介さない勝ち筋が用意でき、除去に強いです。ドラコの末裔とアースクウェイク・ドラゴンをキャストすると1人死亡します。アースクウェイク・ドラゴンは回収可能であることを覚えておきましょう。
嵐の憤怒、コラガン
普通に使っても異常な打点が出ますが、歩哨竜、ミーリムと組み合わせるととんでもない打点が出ます。ただし、疾駆コラガンのコピートークンは速攻を持ちません。
多欲なドラゴン
実質3マナなので、基本パイルのいずれかが手札にある場合は追加でこれをサーチして差しはさめます。16点打点が上がります。
造反の代弁者、サムト
ジェガンサとの相性は最高です。速攻付与がついているので、コラガンやカーサスが不要になり幅が広がります。
老いざるメドマイ
余りがちなジェガンサの(W)(U)を上手く消費できる追加ターンです。手札に引き込めたらウィザーブルームやコラガンと一緒に組み込むことができます。
龍王シルムガル
対応札としてサーチする機会が頻繁にあり、ティアマトのサーチ先が余ったならとりあえずサーチしておいて損はありません。
歩哨竜、ミーリム
最速のプランには必要ありませんが、これらのおかげで2回目の<ティアマト>も十分強力です。
龍王コラガン
カーサスの下位互換に見えますが、ティアマトをプレイした次のターンに使えるマナはWUBRG+7マナ(WUが余りがち)なので、6と7の差は大きいです。サーチ前に計算しておきましょう。
ドラゴン・エンジン、レイモス
基本プランのパーツでありながら、マナ加速として普通に優秀です。ジェガンサが対処されたときのリカバリとしても機能します。
ベレドロス・ウィザーブルーム
土地のアンタップはとにかく強力です。最短プランより長引きそうなら組み込むことを考えましょう。
ジャンドの暴君、カーサス
速攻付与が単純に強く、永遠のライバルである<始祖ドラゴン>に対し必殺の1枚になります。
龍王アタルカ
もうちょっといいカードがあるのではないかと思っています。ヒュージでの5点火力は物足りなさを感じます。
無双の古きもの、クラウス
ジェガンサの代替としての採用です。ティアマトが出た後は次のコンバットで終わらせたいので、サーチすることはほぼありません。
限りないもの、モロフォン
ジェガンサの代替としての採用ですが、重いだけあって機能し始めるとジェガンサより活躍します。ロード能力もあり、自身のタップも不要なのでドラゴンとして殴って打点に貢献します。
虹色の大地鏡
ジェガンサの代替として最も適当なカードです。初手にあれば相棒コストを払う必要がないので、クローサの境界などをプレイするターンができます。
約束の刻
ジェガンサの代替として最弱のカードです。世界樹などの採用を検討してもいいのですが、それならこのカードを抜きます。
ミラーリの目覚め
ジェガンサの代替としての採用です。5色は普通に揃えなくてはいけないのでやや悠長ですが、マナ二倍の恩恵は凄まじく、ティアマトをプレイしたターンにウィザーブルームを探しそのターンのうちに殴り切ることも現実的に可能です。
ドラコの末裔
こいつのために土地基盤にフェッチとトライオームが必須になります。初手にあれば2ターン目からクロックを刻んでいくことができます。
アースクウェイク・ドラゴン
間違いなく必須のパーツです。強すぎる。バルダーズ・ゲート最高!
水没/ウィンドグレイスの裁き/幕切れ
あまり除去を打つ余裕がないので、各対戦相手に対して優位が取れるものやテンポ損をしないこれらが限界です。
マグマ・オパス
精霊の傑作
ほぼ睡蓮の花びらとしてしか使いませんが、重要なキープ基準の一つになります。
世界の荒廃
自分は土地を最大5枚残すことができますが、ジェガンサ相当のマナ差がついていれば適当に撃っても構いません。
具現の技
適当に撃っても強いですが、最高のクリーチャーは最初にティアマトでサーチするので、それらが対処されたときのために温存しておいた方がよいです。
創造の技
具現の技と違い、強いカードが残っているティアマトのサーチ前に適当に撃った方が強いです。
土地
フェッチランドを10種、トライオーム5種、ショックランド3種、クローサの境界、宝石の洞窟、古の墳墓で計21枚です。ショックランド3種は「青か赤マナが出る」ものを選び、トライオームはこれらと組み合わせて2枚で5種網羅できるものを用意してください。インダサのトライオームだけは青赤いずれも出ないため採用を避け、それに呼応する蒸気孔も推奨しません。赤と緑を含む土地は最低条件である「宝物トークンの生成」「ジェガンサのプレイ」「アースクウェイクドラゴンのプレイ」すべてに寄与するため優先されます。クローサの境界は通常3マナ使えるタイミングでジェガンサを回収する必要があるため起動できないこともありますが、1枚で土地タイプ五種を用意できるため採用されます。最後に、ヒュージリーダーズの<魔力の墓所>と呼ばれる<溺墓の寺院>はこのデッキでは採用しません。3マナあるタイミングではジェガンサを手札に加えるため、起動するタイミングが無いからです。


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