ようこそモダンホライゾン2
この記事は Magic The Gathering のDeath&Taxes(Modern/Legacy)をプレイしている人向けの記事です。モダンホライゾン2のリリースによる新しいカードで発生する相互作用を挿絵を交えまとめました。当たり前と言えば当たり前の情報ばかりですが、プレイ中見落としてしまいがちな部分もあると思いますので、この記事が手助けになれば幸いです。
下記より、新しいカードの項目ごとに解説していきます。
孤独/Solitude
想起を持ち、戦場に出た際に剣を鋤に/Swords to Plowsharesが誘発するクリーチャーです。
・想起でプレイした際、死亡誘発する。
黄泉からの橋/Bridge from Belowが禁止されていないレガシーなら、任意のタイミングでそれを追放することが可能です。想起による生贄に捧げる能力と戦場に出た際の誘発能力の処理順はプレイヤーの任意であるため、Death&Taxesでは使えませんが忍耐/Endurance が同じ挙動をするなら生贄能力を先に処理するメリットもありますね。
・生贄に捧げる能力の解決前に逃すことができる
想起で戦場に出た孤独はそのままでは死んでしまいますが、生贄に捧げる能力の解決前にちらつき鬼火/Flickerwispなどで追放してしまえば、戻ってくるときは別のオブジェクトなので戦場に残ることができます。戦場に出た際の能力も再度誘発するので相性は良好ですね。
・ライフ回復に使える
剣を鋤にがリーガルであるレガシーではお馴染みの挙動ですが、自分のコントロールするクリーチャーを対象に取ればライフゲインすることができます。戦場を制圧していても稲妻/Lightning Bolt対象本体で負けてしまう時など、現実的に使う機会があります。
敏捷なこそ泥、ラガバン/Ragavan, Nimble Pilferer
両フォーマットで活躍が期待される赤の1マナクリーチャーです。
・伝説のクリーチャーである
伝説のクリーチャーなので、レガシーではカラカス/Karakasでバウンスすることができます。ラガバンは疾駆を持つため、基本的には戦闘フェイズに入ってから対処するようにしましょう。
・盗まれたパーマネント呪文のオーナーはあなたである
ラガバンに限らず後述のダウスィーの虚空歩き/Dauthi Voidwalkerなど、自分のパーマネント呪文が対戦相手のコントロール下で出てくる状況が増えます。ちらつき鬼火や魅力的な王子/Charming Princeの能力で奪い返すことができるほか、スカイクレイブの亡霊/Skyclave Apparitionの能力で対処する場合イリュージョン・トークンはあなたのもとに現れるようになります。
飢餓の潮流、グリスト / Grist, the Hunger Tide
戦場以外では1/1の昆虫クリーチャーとしての特性を持つ黒緑のプレインズウォーカーです。
・戦場以外ではクリーチャーである
唱える際はクリーチャー呪文なので、スレイベンの守護者、サリア/Thalia,Guardian of Thrabenの影響をうけません。一方、戦場に出る際はクリーチャーとして出てこないので、唱えられず戦場に出る場合でも封じ込める僧侶/Containment Priestによって追放することはできません。
・[-2]能力は能力の解決時にクリーチャーを生贄に捧げる
生贄に捧げるのは[-2]能力の解決時です。つまり、能力の解決前に生贄に捧げられるクリーチャーをすべて排除してしまえばグリストはクリーチャーを生贄に捧げることができず、能力は不発に終わります。またこの能力でグリストがクリーチャーを生贄に捧げたなら、その時に初めて破壊する対象を取り、能力がスタックに乗ります。ルーンの母/与え手の能力を起動するのはこのタイミングが適切です。
(記事公開時、[-2]起動時に対象をとるかのように誤った情報を公開しており、修正しました。失礼いたしました)
エスパーの歩哨/Esper Sentinel
対戦相手が各ターン1回、クリーチャーでない呪文を唱えた際にマナかドローを要求する白の1マナクリーチャーです。
・誘発能力は能力の解決時にパワーを参照する
パワーが1の時に対戦相手が呪文を唱えたとしても、その能力が解決する前にパワーが変動すれば要求するマナも変動します。つまり、梅澤の十手/Umezawa's Jitteや美徳の力/Force of Virtueなどのパンプアップが可能な場合は、対戦相手が呪文を唱えてから使用してもよいということです。こちらから先にアクションしてしまうと、対戦相手には少ない追加マナでインスタントをプレイする機会が発生します。また、逆に対戦相手は何か呪文を唱えたのち四肢切断/Dismemberなどでエスパーの歩哨にマイナス修正を与えれば、最初に唱えた呪文に要求されるマナも減らすことができます。
・誘発能力は各ターン1回である
先述の処理のように、エスパーの歩哨の能力は各ターン1回しか誘発しません。これは最初の呪文を唱えた際にエスパーの歩哨が戦場にいるか否かを問わないため、既に対戦相手がクリーチャーでない呪文を唱えたあとのターンでは無防備な1/1として戦場に出ます。霊気の薬瓶/Aether Vialでエスパーの歩哨を構えられるなら、基本的には先に出してしまったほうがいいでしょう。
カルドラの完成体 / Kaldra Complet
攻撃的な能力と破壊不能を持つ7マナの生体武器・装備品です。能力はカルドラの剣・盾・兜という初代ミラディンの装備品を合算したものです。
・接死ではない
クリーチャーに戦闘ダメージを与えただけで追放するという接死の追放版のような能力を持っていますが、接死と違い致死ダメージを割り振る必要があり、トランプルとのコンボにはなりません。また、致死ダメージを割り振ったなら追放する能力が解決するよりも先に、状況起因処理で墓地に送られます。つまり、この追放する能力はカルドラの完成体を装備したクリーチャーがダメージを与えたが、それでも破壊に至らない高いタフネスを有するクリーチャーや、破壊不能を持つクリーチャーに対してのみ機能します。
老練の探険者/Veteran Explorerなど死亡誘発能力を持つクリーチャーにブロックされうるときなどに注意してください。
・戦場に出るたびに細菌トークンが生成される
殴打頭蓋/Batterskullと同じように、本体をちらつき鬼火などでブリンクすると細菌が復活します。
ウルザの物語/Urza's Saga
トークン生成やアーティファクトのサーチ能力を持つエンチャント・土地・英雄譚です。
・マナを出す前に破壊することができる
ウルザの物語が戦場に出ると英雄譚の能力が誘発し、その解決後に初めてマナ能力を得ます。その前に不毛の大地/Wastelandや廃墟の地/Field of Ruinなどを起動すれば、対戦相手はマナを出すこともできずウルザの物語は破壊されます。通常の土地プレイでは発生しない優先権が発生するので、到達するマナ総量を見越した聖域の僧院長/Sanctum Prelate(霊気の薬瓶経由)の数字指定をする選択肢などもあります。
家庭と故郷の剣 / Sword of Hearth and Home
緑と白のプロテクションを持つ装備品です。
・プロテクション白は不利に働くこともある
これは既存の光と影の剣/Sword of Light and Shadowなどでも同様ですが、改めておさらいしておきます。Death&Taxesでは、ルーンの母/Mother of Runes や ルーンの与え手/Giver of Runes 、ちらつき鬼火の対象に取ることができなくなる、というデメリットがあります。剣の能力を誘発させたいがブロッカーを避けるにはルーンの母の手助けが要る場合などは、装備前にプロテクションを付与する必要があります。
ダウスィーの虚空歩き/Dauthi Voidwalker
シャドーという回避能力、墓地に置かれるカードの追放、追放したカードのプレイなど多様な能力を持つ黒のクリーチャーです。
・安らかなる眠り/Rest in Peaceとの相互作用
対戦相手のダウスィーの虚空歩きとあなたの安らかなる眠りが同時に戦場にあり、あなたのカードが墓地に置かれるなら、そのカードが「虚空カウンターを置いて追放される」のか、「虚空カウンターを置かず追放される」か、あなたが選ぶ権利を持ちます。当然、後者を選択したほうがいいでしょう。これが対戦相手のダウスィーの虚空歩きと虚空の力線/Leyline of the Voidであっても同様で、カードに発生する複数の置換効果は、どれを適用するかそのカードのコントローラー自身が選択できます。
待機呪文
既にモダンにも存在しますが、強力な待機呪文が追加されたためおさらいします。
・待機カウンターがすべて取り除かれたときに唱える
スレイベンの守護者、サリアの追加マナなどはこのタイミングで支払う必要があり、それらによって唱えることができないなら、唱える機会を失い追放領域に残ります。モダンには新しく参戦する聖域の僧院長で待機呪文を封殺する機会が増えるでしょう。(祖先の幻視/Ancestral Visionなど、待機でしか唱えられない呪文を止めたい場合は「0」指定となります)
虚空の鏡/Mirror of the Void
色マナを支払わずに唱えられた呪文を打ち消すアーティファクトです。ピッチスペルや0マナの呪文など、マナを一切支払わない呪文にも有効です。自分には影響しづらいので、ひょっとしたらサイドボードに採用する可能性があるかもしれません。
・サリアで台無し
唱えられた0マナ呪文およびピッチスペルがクリーチャーでないならば、スレイベンの守護者、サリアによる追加1マナを支払う必要があります。それによって、本来支払う事の出来ない色マナを支払うことができてしまうので、ディスシナジーになります。
おわり
ここまで読んでいただきありがとうございました。これらの内容は下記オープンチャットで共有されたものです。
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