ドライトマトを作った
ある日の土曜日、親戚からプチトマトが送られてきた。
淡路島産のプチトマト。
日の光を十分に浴び、真っ赤に光って美味しそう。
しかし、親戚が送ってくれたプチトマトを前に、2つの懸念が頭にもたれかかった。
①量が多すぎる。
個人が消費するには若干量が多い。
俺たちは業者じゃねえ。どうすんだ、この量。
②プチトマトが食べれない
冒頭で「美味しそう」と書いたものの、なんとプチトマトが大の苦手です。普通のトマトは28歳くらいの時に何とか食べられるようになったけど、小さいのは未だに食べられません。
小学校2年生の時、担任の先生が「お残しは絶対許しまへん」型おばあちゃん先生で、給食に出たトマトが食べられず、18時半くらいまで学校に残ってトマトと睨み合った記憶が、まるでプチトマトの中身のように弾け飛ぶ。
友人知人におすそ分けしても、一向に減らないプチトマト。(ちなみに、友人知人曰く『このプチトマトめっちゃ美味いな!』との事だった。良いトマトだったんだな)
どうしたもんかな、と思ってたところに、NHK朝の情報番組「あさイチ」のInstagramアカウントで「ドライトマト」の投稿を目にした。
そうか、ドライトマトな。
そういえば、トマトは苦手でもトマトソースとかケチャップとか好きだから、干したらなんかいい感じで食べられるんじゃないかな。
時同じくして、Twitterなどでも「ドライトマトにしてみたらいいんじゃない」というアドバイスを頂いたりしたので、物は試しでやってみる事にした。
外は5月の青空が広がる、食材を干すには持ってこいの気候。
という事らしい。簡単である。これなら失敗せずにできそう。
太陽の光をいっぱいに浴び、キラキラ光るプチトマトの断面。トマトは嫌いだけど、美しい。
「はやく乾かないかなあ」と、ベランダと室内を出たり入ったりする私であった。
翌日、天気予報は「近畿地方が観測史上最速とも言われるスピードで梅雨入りをした」と報じたのであった。
つづく
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