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恐らく今までで1番長く感じた100m

2022年10月30日。目に焼き付けたこの日の出来事を二度と忘れないと思う。

アルバイトを終わらせ颯爽と府中本町駅へ向かった。途中で友人を拾って

夕暮れに撮ったので暗め…

14:00だったからパドックは既に人混みだらけで見ることは出来なかった。

とりあえずレストランで昼食をとった。
競馬を全く知らない友人はオープン戦の映像を見て興奮していた。

出走馬はこの通り

2022 天皇賞・秋

自分はジャックドールを軸に適当に流していった。
あとは1番人気のイクイノックス、粘るだろうと信じパンサラッサを複勝で買った。

友人はルメールが良い!とイクイノックスを単勝買い、あとはどーれにしよーかなーで選んでいた(笑)

さて、馬券を握りしめて勝負といきますか!

ファンファーレが響く。友人の興奮は相変わらずで、猿のオモチャみたいに手を叩いていた。

馬たちがゲートへ入る。この時間地味に好き。

ゲートが開いた。前へ飛び出す馬が多かった。
ああそっか、逃げ馬ズラリか…!

そして期待のパンサラッサの大逃げキターーーーーー!!後続と10馬身ほど差を離して大欅を越えていく。
後に動画を見返して知ったのだが、1000mのタイムが57秒4だったという。

ついに超えたんだね。24年の時を経て

だがまだ終わっていなかった。

第4コーナーを曲がってもパンサラッサは沈まなかった。むしろ押し切っていたのである!
そのまま直線コースへ入った。
さすがに観客がザワついていた。
「逃げ切ってしまう!?」
「いけーーー!!!」
熱狂の渦の中私は黙ってあんぐりしていた。

あぁ、府中の直線はなんて長いんだろう…
聞こえるはずのない馬たちの足音。
ジョッキーの息遣い。
観客の入り交じった想い。
全てが己の体に吸収された。
この瞬間が永遠に続けばいいのにな…
五感は最高潮に研ぎ澄まされ、刹那の快楽に酔っていた…


大外からイクイノックスきた。すごい脚だ。。

残り100m

いつの間にか掲示板が出ていた。

ちゃんとゴールの瞬間を見ていなかったことを直後に後悔した

優勝はキタサンブラックの仔イクイノックス
ロードカナロア産駒のパンサラッサは2着だった

「なんだかよく分からないけど泣きそう」

そっと友人が放った言葉が忘れられない。

そりゃそうだ笑

現地で観戦できて本当に良かった。
夢のようなひと時をありがとう

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