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サッカーに憑かれた者たちnote版:いろれふさん(2級審判員) 前編[全文無料公開]

今回スポットを当てるのは、サッカーの試合において選手と共に欠かせない「審判員」。
2級審判員の資格を持ち、様々な試合で笛を吹いているいろれふさん(Twitterアカウント=@iroref3939)に話を伺った。

文章が長くなったため前編・後編に分けており、前編ではいろれふさんのサッカー歴や審判歴を中心に、審判員のお金のことにも触れている。

いろれふさんのサッカーとの関わり方

―まずはいろれふさんの、これまでのサッカーとの関わり方を教えてください。

「僕は佐賀県鳥栖市で生まれ育ちました。プレーヤーとしては小学4年生の時に地元の少年サッカーチームに入って、その後は市立中学校、県立高校のサッカー部でプレーしていました。
そこから福岡大学に進み、大学の時は七隈トンビーズ /七隈カラス(福岡県社会人リーグ/福岡地区社会人リーグ)でプレーしました。
ポジションは小中高は主にSBで、大学と社会人ではFWとしてプレーしています。
ディフェンスがあんまり得意じゃなかったというのと、性格的にもFWの方が合っているなと感じていたのでFWに転向しました。

でも選手としては全然ダメで、レギュラーで出ていた時期はほぼほぼなかったと思います。小学生の時はチームも弱くて、最後の試合は1-22で負けてしまいました。
高校3年生の高校総体の予選でもメンバー落ちしてしまいましたし。
でも僕は下手くそでもいいんでサッカーをやれたらいいなと思っていて。

そしてサッカーを続けながら中学2年生で4級中学校3年生で3級審判員の資格を取りました。
ました。
大学生の時もトンビーズでサッカーをしながら、1年生の冬ぐらいに2級審判員の資格を取得しました」

―サッカーを観るのも好きとお聞きしましたが、サポーターとして応援しているチームはありますか?

「佐賀に住んでいるのでやはりJリーグではサガン鳥栖と、あとはアルビレックス新潟が好きです。アルビレックスは理由があるわけではないんですけれど、たまたま好きになりました。
社会人リーグを観るのも好きなので、九州リーグ全体を凄く応援しています。
(九州リーグは)審判員として関わることもあるんですけれど、凄く楽しいです」

審判員を志した理由、努力

―いろれふさんは、どうして審判員を志したのでしょうか。

「小学生の時のチームに2級審判員の資格を持つコーチがいて。チームは弱かったので、大会の決勝になるとその2級の審判員のコーチが(審判員として)呼ばれるんです。毎回決勝に呼ばれるって凄いなあと感じたことがきっかけです」

審判員の方の日常の様子を知れる機会は滅多にないため、ずっと気になっていた質問をいくつかさせて頂いた。

―毎年競技規則の変更がありますが、どのように身体に染み込ませているのですか?

「まず3月・4月とかに確認して、例えば2級は9月に更新の講習があるんですけどその時にもう1回見て『今年はこのスタイルでやっていますよね』という感じで確認します。

僕達(の担当)はJリーグじゃないし、カテゴリーが落ちるほどフィジカル的にもそれなりに下がっていくと思うのでJの基準にするのは難しい所はあるんですけれど、よく言われる『フェアでタフでスピーディな』というものを実現するためにどんなものが必要かというのはよく(審判間で)話に出ますし、それを実現するためにルール改正があったりとか。

例えば、スピーディという点でいくとキックオフ時に1人でよくなったり、フェアという点はFKの際に『壁』が3人以上いると攻撃側の選手は1m以上離れないといけないとか。
タフという所は競技規則で縛るのは難しいのでJFAのビデオを見てタフとはどういうことか、ラフとタフは違うので、その見極め方は凄く勉強になります」

―審判員としてのトレーニングはどれくらいしていますか?

「現在は会社員なので夕方6時過ぎに帰ってきて、そこから1時間〜1時間半ぐらい、週5〜6回トレーニングをして試合に臨むという流れです。
面接の時にも言いましたし、会社は審判員をしていることは知っています。審判員だと金銭が発生するので、問題ないかなあと会社に相談しました。

選手としても、佐賀県2部の吉野ヶ里FCというチームでプレーしているんです。選手登録も終わったので、選手としてももう少し頑張っていきたいなと思っています」

審判員のお金・仕組み

―主審や副審で、頂ける額というのは違うのでしょうか。

「全然違いますね。だいたいの配分で言えば、第4の審判が1だとしたら、副審が2か3、主審が4か5ぐらいですかね。
だいたいどの大会でもこういった配分です。大会によって金額は変わりますが。
(どの試合を裁くかは)サッカー協会に登録して『この日空いています 』と伝えて協会がそれに合わせて当てはめて。
この試合に(審判として)入っていますよとアナウンスがあって、その試合に行くという流れです。
普通の2級であれば社会人の県1部の主審を務めたりですね。
自分は今、九州協会の2級全国リーグ担当という形で入っているので、プリンスやプレミア(18歳以下の全国トップリーグ)のWESTなどを担当しています」

―2級の審判員というのは、どのカテゴリーまで裁けるのですか?

「2級は全国リーグの副審までは競技規則に書いてあります。僕は今全国リーグ担当なので、J3の第4の審判まではカテゴリ上可能です」

―やはり、今後は1級を目指しているのでしょうか。

「2級の中で、九州の中でも何個かカテゴリーが分かれているんですけれど、まずはその(上の)カテゴリーに入るために頑張っています。
九州の強化審判員という中から、実績や年に2回ほど九州で測ったり県で測ったりするテストがあるんですけれど実際の試合とそういったフィジカルトレーニングの結果で選ばれて、1級を受験する権利が得られるという形なので」

審判員に関してはまだまだ知らないことが多いなと感じた前編でした。

後日公開の後編では、審判員ならではの視点でより具体的に語って頂いていますのでお楽しみに。

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