恋をしたから

23歳は大人でも子供でもない、なんとも曖昧な年齢だと思う。それなのに、しっくりきてしまうのは自分が中途半端に大きくなってしまったままだからだろうか。
23歳で初めて、ようやく、ちゃんと好きな人に出逢って恋をしてセックスをした。今までの恋愛経験は取るに足らないものだし、つまらない暇つぶしでしかなかったので、ここに記すのは割愛する。
どこかで聞いた台詞を引用すれば、好きな人に好きになってもらうことは本当に凄いことだ。知らない土地へ来て、生まれ育った環境も見てきた景色も違うふたりが惹かれあって、急接近して、もう毎日一緒に眠っているのは、なんとも不思議だと思う。あいみょんの「恋をしたから」の歌詞に胸を打たれて、ギターを弾いて、夜ご飯を作ったり、フェリーに乗ってデートに行ったり、なんだか自分の人生じゃないみたいだ。
昨晩は38.5度の熱が出た。ものすごい辛いわけじゃない高熱は、身体の毒素を捨てて、ほんの少し生まれ変わらせているようで、こっちへ来てから幸せばかりだったから、熱でも出なきゃな〜なんてお花畑回路でいる。と同時に、優しさに甘え過ぎてはいけないと思っているけれど私にできることは何だろうかと怖くもなっている。

#散文

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