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電車にて
突然、友人に一緒に学校に行って欲しいとお願いされ、2人で電車で話した時のこと。
一緒に行こうよ!というお誘いならわかるけど、依頼されるのは初めてで何だか変に思いつつ、やむを得ない事情があるのだと何となく思った。
何でも友人との満員電車はまだ我慢出来るけど1人でキツキツの車内にいるとしんどくなるらしい。スクールカウンセラーにも相談済みで徐々に良くなってるとのこと。
私は心配する気持ちと自分の持っていない感覚に興味を持って、カウンセラーにどんなことを言われたのか聞いた。
彼女は電車の中で一番落ち着く場所を思い浮かべなさいと言われたらしい。それからは自分の部屋を思い出すようにしていると教えてくれた。
彼女が怖いのは恐らく他人の視線なんだと思う。考えてみると電車って以上に人が多い。しかし、何の気なく私は(私達は)その他人を意識することなく電車に揺られている。その距離は家族でご飯を食べている時よりも近い。改めて考えるとそれを平然といられる我々の方がおかしいのかもしれない。
普段から照れ屋な彼女は好きな男性アイドルの話をするだけで顔が赤くなってしまう。私の思った以上に繊細な人なんだと感じた。
電車を降りた後、彼女を元気づけたくて私は声がけをした。
「私たち、4人席に座ってたよね。みんな気づいてなかったと思うけど、私の斜め前にいたおじさんずっと鼻くそほじってたよ。たぶん50分くらいずっと鼻くそほじってた。普段はスマホばっか見てるから気づかなかったと思うけど。電車の中ってそんなもんじゃないかな。」
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