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「歌うことは生きること」~世界の歌に挑戦⑨~ ”カヴァティーナ(ポール・ポッツ)”

こんにちは。
統合カウンセラーの猫間英介です。
歌うことは最高のセラピー&コーピングの一つだと思います。
私にとって、「歌うことは生きること」
 
歌うことが大好きで、歌のレッスンを受けるようになって12年になります。12年間、ほぼ週に1回、仕事帰りに夜7時半頃から約45分のレッスンを受けています。一回のレッスンで数曲やるときもあるから、これまで300近くはありそう。

仕事などでかなり忙しいとき、疲れているとき、なんとなく気分が乗らないときも、とにかくまずは行って歌っています。ひとたび歌い出せば自分の心と体に活力がみなぎってくるのを感じます。

この12年間で先生は何度か代わりました。声楽やオペラなどクラシック出身の先生ばかりですが、私は全くジャンルを問わず、自分の好きな曲、歌ってみたい曲の楽譜を持ち込んで、先生のピアノ伴奏で歌っています。毎回、発声トレーニングのあと、そのとき持ち込んだ曲を歌います。

私はクラシック音楽に明るいわけでもなく、音楽理論をよく理解しているわけでもありませんが、ただ自分がいいと思った曲、心動かされた曲であれば何でもジャンルを問わずに歌いたいと思っています。

これまで歌ってきたのは、イタリア歌曲、日本歌曲、カンツオーネ、ポップス、ジャズ、ロック、ボサノバ、歌謡曲、演歌などです。言語は、日本語、英語、(意味をきちんと理解してしませんが)イタリア語、ポルトガル語などです。

ピアノ伴奏だけでマイクなしで歌うので、かなり集中して自分の声帯と五感と身体全体を駆使して挑みます。

このブログでは、これまで歌ってきた曲や今挑戦している曲、うまくできなくて奮闘していること、挫折感、高揚感、達成感、これからの目標などを書いていきたいと思います。

 私にとって歌は生きる力そのもの、「歌うことは生きること」、自分が死ぬまで歌を続けていきます。

それではさっそく取り組んだ曲から。


取組曲 【カヴァティーナ】

🔷もともとはギターの曲で歌詞はなかった。
この曲は、もともと1978年公開のアメリカ映画「ディア・ハンター」のテーマ曲として作られた、スタンリー・マイヤーズさん作曲のギターソロのための曲です。ですので当初は歌詞はありませんでした。
そのメロディにのちにクレオ・レインさんという女性歌手が歌詞をつけて、男性、女性を問わず、たくさんの歌手が歌っています。 その中で最も有名な歌手の一人が、ポール・ポッツさんです。 

🔷歌: ポール・ポッツ    
🔷作曲: スタンレー・マイヤー
🔷作詞: クレオ・レイン
   
クレオ・レイン( Cleo Laine) という女性歌手がこの曲をとても気に入って、作詞して歌ったと言われています。
その後、作詞した クレオ・レイン本人以外にも多くの歌手によって歌われるようになり、男性歌手が歌うときには、He を She に置き換えたりもしている。

【ポール・ポッツさんカヴァティーナ】

この曲を選択した経緯は、一言でいうと、サックスの曲を知り、⇒ その後、ギターの曲を知り、⇒ 最後に歌の曲にたどり着きました。サックス曲があまりにも美しく切ない旋律で惚れ込んでいました。 

この曲に歌もあるとういことで、どうして歌いたくなりました。そこで、サックス練習で使っていた楽譜のピアノ伴奏も非常に好きだったので、これを先生に弾いてもらい、自分が歌詞をまる覚えして歌えばいいのでは、ということを先生に提案しました。(ですので、歌の先生は歌詞を全く知りませんし、私が歌っているときも(サックスパートの入った)ピアノ譜を見るだけで歌詞は載っていません。 

【使用楽譜について】
🔷使用楽譜:THE SAX SPECIAL(ザ・サックス特別号)
  美しき映画音楽の世界(マイナスワンCD付)
🔷発行所: アルソ出版株式会社
🔷発行日: 2007年4月1日
      2012年8月1日 第5版
🔷曲名: カヴァティーナ 映画「ディア・ハンター」
🔷模範演奏: 雲井雅人(アルトサックス)
🔷編曲: 八木澤教司

🔷サックス曲から歌の曲に至った経緯
私のサックスの先生が自分のコンサートの最後にいつもこの「カヴァティーナ」を演奏していました。その音色があまりに美しくていつも聴き惚れていました。そしてこの曲をサックスで練習する中で、歌もあることを知り、ポール・ポッツさんの歌にたどり着きました。ポール・ポッツさんの歌声は、とても柔らかい、澄み渡るようなハイトーンですぐにファンとなり、また、いつかこの曲を歌ってみたいと思っていました。

一方、サックスでは当初耳コピーに近い形で練習していましたが、サックスの先生がずっと師匠として師事してきたクラシックのサックス奏者である「雲井雅人」さんが、映画音楽を特集した楽譜を出していることを教えてくれたので、それを探して購入しました。 これにはピアノ伴奏とサックスの模範演奏とピアノ伴奏のみの両方が入ったCDがついており、それを聴きながらサックス練習に取り組みました。

 私のサックスの先生もいつも絶賛していましたが、雲井雅人さんのサックスの音色は深く優しく、美しく、心震えるものがあり、聴いているときに自然と涙が出てきました。有名なサックス奏者の中にも、雲井雅人さんの出す音が一つの理想形というように語っている人が何人もいて、サックス雑誌などでそのような記事で何度も目にしたことがあります。

カヴァティーナは、ギター曲、サックス曲、歌のどれも私にとっては本当に身も心も震える音楽です。(もちろん映画も素晴らしい。)この曲を聴いていると、いつも多くの懐かしい記憶がよみがえり、亡くなった自分にとって大切な家族や友人などを思い出したりして、涙が出てきます。

《余 談》
 以前、サックスの先生のコンサートに親友を連れて行ったところ、最後の「カヴァティーナ」の演奏が終わると、急に私の膝を思い切り拳で叩くので、「何やってんだよ、痛えだろ。」と言ってそいつの顔を見ると、涙を流しながら「これは素晴らしい、素晴らしい! 感動した。」と言っていました。(わかった、わかったから人を叩くな。)
 そして、「映画ディア・ハンターは大好きな映画で、そこに出てくるアメリカの田舎の風景や登場人物(ロバート・デ・ニーロさんやメリル・ストリープさん)が浮かんでくるよ。ベトナム戦争の狂気に巻き込まれる前のみんなの楽しかった青春時代が浮かぶ。」とか、ほざいていました。 (普段はアホな奴なのに、サックス演奏によほど感動したようでした。)

【雲井雅人さんのサックス演奏】

【村治佳織さんのギター演奏】


前述のとおり、今回は、先生に渡した楽譜は歌のための楽譜ではなくサックス用の楽譜なので、サックスのパートがほぼ歌詞のパートに該当します。ただし、楽譜に記載されている音の高さはサックスとピアノでは同一ではないため、サックスパートをそのままピアノで弾くと違う音になってしまいます。 ですので、私がサックスの高さで丸暗記した歌詞を、先生のピアノ伴奏に合わせて歌います。

先生が歌詞を知らない曲で、歌詞も書かれていないサックス用の楽譜の伴奏用ピアノを弾いてもらって、歌のアドバイスをくださいと言っているのだから、随分と図々しいお願いとなってしまいました。 しかし、先生は全く気にされることもなくどんどん歌ってみて下さいとのことなので、まずは歌い、ミスを繰り返し、それに対してどんどんアドバイスをいただきました。 

【先生からのアドバイス】
🔷この曲の歌詞はとても少ないのに、長く伸ばす音が多いことに留意する。
🔷イタリア語などと異なり、英語の曲でこれだけ歌詞が少なめだと、声に力を乗せにくいはずであるから、力で音をキープしようとしても絶対に無理である。むしろ、気持ちも体も芯からリラックスさせて柔らかくなることが大事。
🔷高音で息の流れを確実にキープしながら歌わなくてはならない。
🔷このキープがしっかりできないと、音がどんどん下がってきてしまう。
🔷各ブレスポイントをきちんと決めておいて、その都度確実に適切に深く呼吸を行い、次のフレーズに備える。 
🔷歌っている間、お腹の支えもしっかりと使いつつ、息を高く長く遠くへ投げかけるように。
🔷柔らかくやや細目に息の無駄遣いをせずに歌っていかないと、間違いなく途中で息切れする。
🔷(私の歌を聴いた上で)歌詞の内容は特に力強くタフに歌う必要は全くないと思われるので、切ない気持ちを静かに深く語るように歌ってゆくのが良い。

先生のアドバイスを肝に銘じながら、歌い込んでいくと、だんだんと無駄な力みや引っ張りがなくなり、少しずつ柔らかく、でもしっかりと音に声を乗せていくことができるようになってきた(ような気がしました。)。 

一点、レッスンの翌日に気付いたのは、歌についての先生からのアドバイスは、サックスでいい音を出すための練習である高音階での「ロングトーン」の練習とほぼ同一なのではないかということです。歌でもサックスでも、自分の呼吸コントロールをどこまで上手くできるのかは共通の重要課題であることを、身をもってあらためて認識させられました。

それにしても、呼吸コントロールにかなり気力・体力を消耗したレッスンとなりました。終わった後はまるでスポーツの試合でもした後のように、心地よい発汗と体温上昇そして疲労を感じました。

猫間英介


「歌うことは生きること」〜世界の歌に挑戦〜
と称して、自分の歌についての取り組みを、マガジン化(無料)してまとめてあります。併せてよろしくお願いいたします。





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