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100年前の田んぼ

ここは〝100年前の田んぼ〟

山の中にひっそりとあった田んぼ。


僕はこの《美しい谷》の昔の景色が見たい。


勿論、時は戻らないし全ては変わり続け進み続ける。


それでもこの谷に暮らすことを決めた1年前に僕には昔の景色が見えた気がした。

その景色は本当に微かなものでしかなくてそこから紡ぐことはあまりにも果てしない。


でも、ここで生きていくうちに谷のみんなが僕に昔の景色をたくさん見せてくれた。

写真なんて一枚もないけど。

それでも話してくれる言葉たちが僕にはっきりと景色を見せてくれる。




我が家から唯一見えるところにある家には88歳のおばあちゃんが1人で住んでる。


僕の大切な新しい家族。

そして大切な友達。


その友達が実際には見たこともないくらい昔のことらしい。


ここには田んぼがあった。




僕らはここに田んぼを創る。


ただお米を作るって話じゃくて。


ここに100年前の田んぼを創る。



実はこの場所を初めて見た時は僕の身長くらいの枯れ草や枯れた木々で鬱蒼としていた。

草を刈り、木を切った。


そして今。

まだまだ全てが生い茂っているけれど。

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さぁ、取り掛かろう。

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