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短歌連作「wake」

生傷のごとく短い八月のビデオテープに再生機能


未完とはゆれる海面 お茶の味変わっちゃったしもう帰ろうか


「猫いたよ」とかの連絡されて ああ 守ろうとしてくれたんだよね


夕暮れの眩しさ握りしめる 俺ジーンズ似合うねって言われたい


知っている街のバス 知らない街で頼むのは辛い麺類ばかり


満席の居酒屋チェーン 歌っても踊っても火薬みたいな匂い


願っても砂屑まみれの髪だから きぼうの子供達にされた日

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