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開かれるのを待つ扉:牡牛座新月 2021.5.12

こんにちは、iです。
連休が終わり、何だか街が静かです。
さわさわと揺れていた空気が、すーっと静かに日常に戻っていく感じ。

今年のGWは雷がすごかったですね! さすが天王星ウィークでした。
晴れているのに雷が鳴っている様子はとても不思議で、ピカっと光るたびに窓の外を眺めていました。
雷は「神鳴り」と昔は書いたそうですが、ギリシャ神話でもゼウスは雷を司りますし、天から落ちるものというのは大昔から神と結びつけられていたのですね。
電気はエネルギー、だとすれば雷は地上に贈られた何らかのエネルギーなのかしらと思ったりします。雷をたくさん落として、地上は充電完了といったところでしょうか。

さて、明日2021年5月12日の03:58頃に牡牛座で新月が起こります。

今回の新月は、ライジングスターが天王星。
ライジングスターとは、地平線近くにある天体のこと。地平線上の天体は大きな影響力を持つとされるため、主役級の存在感です。
しかも、この新月では本当に夜明けとともに天王星が太陽を引き連れてやってくるように見えるのですね。ヒライアカル・ライジングという、夜明けをもたらすように見える天体のことです。

天王星がとても強調されている新月だと思います。
天王星と言えば、遠いところから新しい何かをつなげる、その結果として古いものがリニューアルする、といったイメージがあります。

「遠くからやってくる新しいもの」

それが、今立っている場所を変化させていく。
そんな印象のある新月です。
最近ビリビリと落ちてきた雷パワーが、地面を伝わって広く浸透していくのでしょうか。電気は天王星の象意のひとつです。

牡牛座で起きる新月、というところにも着目してみましょう。
牡牛座は、大地とのつながりが深いサインです。
牡羊座で地球に入り込んだ魂が、牡牛座で地上としっかりと結びついていく。肉体的な五感を得て、地上の美しさを知り、その概念を思う存分味わう。
牡牛座とはそういった「身体的感覚」と「大地の豊かさ」を味わう領域だと思うのですね。
今回の新月では、そこに新しい息吹が吹きこまれていくような印象があります。

大地も水も、あらゆるものは停滞すると澱んで腐敗していきます。
腐敗させないためには、定期的に新しいものを流通させていく必要があり、自然の中では法則に従ってそうした新陳代謝が当たり前に成されていきます。
でも、人間には意思があるので新陳代謝を止めてしまうことが、ままあるのだと思うのですね。
それは、新しいものを受け入れると古いものが壊れていくから。
でも、古いものに固執したとしても、それはやがて腐敗していくものですから、どちらにしても足場はぼろぼろと崩れていくのです。

ですからこの新月では、天王星的に、味わう世界そのものを広げてみるのもいいんじゃないでしょうか。
ホロスコープを見ると、たいていは太陽系の惑星が8個と、太陽と月があらわされますよね。
それを見てああでもないこうでもないとやるわけですが、それってつまり太陽系の天体をその人の一部として読んでいるということです。

私たちは太陽系第三惑星地球に住んでいて、どうしても地球的感覚に支配されがちですが、本来は自分の中に水星的な部分とか、金星的なところとか、火星的なところとかがあるわけです。
太陽系を思い描いて、惑星たちはどんな言葉を交わし合っているのか、想像すると楽しいですよ。
その中の地球に住んでいる自分は、彼らの言うことをキャッチできているのかな。応じることができているのかな。逆に自分は何を発していきたいのかな。
そんなふうに自分のホロスコープと照らし合わせて読んでいくのも楽しいです。自分の感覚を宇宙まで広げてくれるような気がするんです。そうしているうちに、ちょっとずつ視野が広がっていく。

天王星、海王星、冥王星のトランスサタニアンは今の地球人からするとまだまだ手の届きにくい天体ですが、そろそろ手を伸ばしてくれよと言っている気もします。

この新月は、天王星がヒライアカル・ライジング、そして海王星、冥王星と小三角をつくり出しています。
トランスサタニアン・・・土星以遠の天体が協力関係を結んでいます。
もうそろそろ準備ができた人から、外の宇宙に目を向けてくれよと言っている感じなんですよね。
想像の中で構わない、意識を伸ばしてくれないと君に新陳代謝が起こらないよ、と訴えてくれている感じです。

太陽系の外に想像の枝を広げていくのもいいですね。
太陽から一番近い恒星はプロキシマ・ケンタウリだそうですが、隣の恒星ってどんな感じなのかなあと想像してみるとか。
好きな恒星を探してみるのも面白そうです。
古代エジプト、マヤ、アメリカ大陸に古くから住んでいる人たち、アフリカの民族……数え上げるとキリがありませんが、古代から人は恒星を観察していて、その痕跡が残っています。
シリウスやオリオン座、プレアデス、アルデバラン、ベガ、アルタイル、その時代の北極星などなど……夜空に燦然と輝く恒星は、その昔、人の意識を豊かに広げてくれていたのではないでしょうか。
地球に馴染みきれない人は、案外そっちの方が合っているかもしれません。

そうした「外にあるもの」「遠いもの」へと意識を広げていくことは、今自分が立っている場所を確認するためにも役立ちます。
ここに来たのは何のためだったのか、今一度思い出すことで自分の座標が明確になっていきます。
自分が、何のために今ここにいるのか。
愛を学ぶためでしょうか。
地球の感覚を味わうためでしょうか。
レジャーでやってきたのでしょうか。
それとも、何かやり残したことがあったからでしょうか。

そこが見えてくると、この後にどこへ行きたいのかも、何となく見えてくるのかもしれませんね。

天王星は通路を開く天体ですが、それは痛みや怖さを伴うこともあります。
わたしは最近、とても怖い夢を見ました。
ほぼ毎日夢を見るのですが、怖い夢を見ることは少ないんですよね。
でも、その日の夢はとても怖かった。夢の中で泣いてしまうくらい、とてもとても怖かったんです。
けれども怖さの壁を抜けたときに、面白いものを見ました。
何度も何度も繰り返し、あれは何だったのだろうと咀嚼し続けることができるくらい、面白いもの。
詳しくは書けませんけれども、そこで見たものから、わたしは色々な気づきを得ているんですね。現在進行形で。

何が言いたいかというと、怖さや痛みは、「開かれるのを待っている扉」のようなもの。
言い換えれば、関所のようなものなのかもしれません。
怖さは未成熟な意識を守ってくれる安全装置ですが、いつまでも怖い怖いと扉の中に閉じこもっているわけにもいかないので、ある程度強くなったら怖さの先に進まなくてはいけないと思うのですね。

そもそも、怖いという感情はどこから来ているのか。
人にとって究極の怖さとは、「死」が代表的でしょうか。
そう考えると、今は地球規模で「死」という怖さに向き合わざるを得ない状況が続いているとも言えるわけですが、その関所をどうやって通り抜けるのかを、色んな星々が見守っているような気がしてなりません。
よちよち歩きの子どもを、手を貸さずに見守っている保護者みたいです。
歩く力は、本人しか鍛えることはできません。
この関所を抜けるための鍵も、その人の中にしかありません。


牡牛座新月の時期は、意識を広げて、自分が味わう世界を広げてみよう。
わたしは自分の星の言葉を、そんなふうに受け取りました。
そのひとには、そのひとの星の言葉があるのだと思います。
そこに意識を伸ばして、耳を澄ませてみてください。
今必要なものは、意識を開こうと決めたならきっと手の届くところにやってきます。
世界は、宇宙は、閉ざされてなんていません。いつも、開いています。
閉じているのは、意識だけ。

それではよい新月をお過ごしください。




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