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うーん……?SONY/WH-1000XM5

買っちゃった……。
10月の終わりごろ、ヨドバシカメラにて割引されていたのもあり、えいやっと購入。ポイント値引きなどもあって、4万円ちょうどで買えました。

シンプルなケースにシンプルな表紙
開けると中のケースが出現
どどん。
真ん中の収納スペースには、各種ケーブルが収納されてます。

ノイズキャンセリング(以下:NC)搭載のワイヤレスヘッドホンであるWHシリーズは、一番最初のMDR-1000X(以下:1000X)のみ所有していたのですが。さすがに5年も経つと、イヤーパッドはボロボロ。

グロ注意

そろそろ限界かなぁ、新しいやつ欲しいなぁとずっと思っていたので、買えてよかったです。以下、WH-1000XM5(以下:XM5)の使用感や音質、NCなどの感想を、1000Xと比較しつつ書いていきたいと思います。

・見た目

1000Xシリーズにあった折り畳みの機構がなくなったため、シンプルな形状になりました。1000Xも当初はとても柔らかいイヤーパッドでしたが、XM5も負けず劣らずのやわらかさ。長時間つけていても痛くなりにくい。あと、一番変わったなと思ったのは軽さ。1000Xはある程度の時間つけてると、やっぱ重いな……となってくるんですね。それが、こちらだと全然感じない。それでいて、バッテリー容量は増加。NC使用時だと8時間差、非使用時に至っては18時間も差がある。スゴい、これが時代の進歩か。しかも、USB PD充電にも対応していて、体感としては1000Xを充電する時の1/3くらいの時間で満タンになってる気がします。
デザインはシンプルかつ一体的なフォルムになりました。これはこれでオシャレだと思うのですが、個人的にはXM4までのデザインの方が高級感はあるかな、と。後述する音質の比較のために1000Xを引っ張り出したんですが、こいつこんなに良いデザインしてたんだ……と思い直しましたね。重いしずっしりとした感じなんですが、それが高級な雰囲気を醸し出してる。XM5の一部プラスチックな部分が、安っぽく見えちゃうのが玉に瑕。また、黒であるが故に仕方ない面もあるのですが、めちゃくちゃ指紋が目立つ。使用後はクロスで拭いてます。

・NCについて

前作のXM4まで、NC機能を最適化する”NCオプティマイザー”は、ボタンを押すことで起動していました。今作のXM5は、装着しながら自動で発動し、常にNCを最適化しているとのこと。そのため、一気に静かになるというよりかは、徐々に静寂に包まれる感じ。
この機能、どうもメガネをかけている自分には合いにくいのか、裸眼状態で装着した方がより効果を発揮するんですよね。メガネ状態だと、どうもリビングのテレビの音などが貫通してくる。ただ、発揮した時は本当に静か。全ての音を消すというわけではないし、自室の斜め向かいの家で飼われている大型犬の鳴き声などは貫通してきますが。それでも、だいぶ遠くで吠えている感じになるし、両親の会話などはほとんど消える。以前、朝方にNC機能を使って耳栓代わりにしてみたんですが、その時は逆に自分の鼓動がうるさく感じたほどに静かでした。
1000Xも発売当時に家電量販店で試用してみた時、周りの雑音が本当に引いていった感覚に驚き一目惚れしたのを今でも覚えていますが、時代の進歩ってすごいなぁ……。今思い返せば、1000XのNCはどうしてもホワイトノイズがあって、ずっと”サッー”という音が小さく鳴っていて。これはこれで耳栓としての効果があったけど、XM5のTHE 無音な感じに慣れると、戻れる気がしないですね。
”デジタル耳栓”としての利用を一番に考えていて、購入当初は想定していた以上に雑音が消えるわけではなかったので、あれ?と思ったのですが。今となっては、十分用途に適ったレベルだと感じています。ただ、自分のように耳栓として使いたい!と考えている人は、一度試してみてからの方がいいかもしれません。過度な思い込みで買うと、損をした気持ちになりかねませんので。

・外音取り込みモード

NCに技術の向上を実感していましたが、外音取り込みモード(アンビエントサウンドモードとも)はもっと進化を実感しました。マイクの搭載数が増えたこともあってか、かなり自然に聞こえるんですよね。この辺、1000Xだとどうしても”電気がかった”とでも言えばいいのか、あまり自然ではない聞こえ方だったので、その差に驚き。
通話はまだ利用したことがなく体感を述べることができないので、代わりにこちらの動画が参考になるかなと思います。

ワタナベカズマサさんによるゼンハイザーのMomentum 4 Wirelessとの比較検証の動画。7:20~で両者の通話音声が流れるのですが、自分はXM5の方が自然だなと思いました。無論、ゼンハイザーの方も十分通話可能な音質なので、この辺は好みが分かれるところですかね。

・肝心の音質

ヘッドホンを使う上で、避けて通れないのが音質。1000Xはバランスよく鳴らしつつも、きれいな高音とは対照的に低音が弱く、また全体的に音の輪郭がふにゃふにゃな感じ。finalのZE3000を紹介するnoteでも書きましたが、良い音ではあるんだけど、うーん……?となる音質。もちろん、これも悪くは無いし、経年劣化もあるので仕方ないんですけども。

そして、前述した通り、1000Xと音質を比較してみました。結論から先に申し上げますと、全体的に向上してますが、しつこいレベルで低音が強調されてます

<環境>
Xperia XZ1にて接続。有線での使用も同じく。コーデックは共にLDAC。
<使用楽曲>
星野源さんの『肌』。比較しやすいかなと思って選びました。
<方法>
両方とも、ワイヤレスでのNC/非NC時と有線接続でのNC/非NC時で音をチェック。その上で、どちらがどういう音質だったのかを確認。
 ・MDR-1000Xの音質
ワイヤレスかつNC時は、本当に音がスカスカ。非NC時は少しマシになりますが、それでも低音は解像度が悪い。有線接続で聴くと、音の厚みが変化。NC時よりも非NC時の方が音場が広くなり、高音がキレイに。バランスの良い音ではあるが、低音が弱め。各音域の音の輪郭がやわらかすぎるのと、低音が軽く聞こえるのが難点。
 ・WH-1000XM5の音質
ワイヤレスはどちらも1000Xに勝る。”DSEE Extreme”機能の恩恵か、音の厚みや解像度は高い。ただ、NC時だと高音が弱めになる。非NC時はボーカルの声や高音が近くなった。有線接続では、輪郭がハッキリとした元気な音。NC時より非NC時の方が、より高音の解像度が強い印象。「その胸に口づけを」の部分で流れるバイオリンの一番高い音もキレイに聞こえた。全体としては、とにかく低音が強い。バランスよく鳴らしてるようで、むしろ邪魔なレベルで低音が鳴る。でも、低音の解像度は高く、パンチのある音になってる。
<総評>
音質は向上しており、ワイヤレスでは特に顕著なレベル。また、有線接続ではやわらかく協調性のある1000Xとは違った、元気でパンチのある音に。個人的には、こちらの音が聞いていて楽しい。ただ、本当に邪魔なレベルで低音が強い。とにかくベースが主張してくるため、高音を楽しみたい場合はかえって合わない可能性が。

・うーん……?

NC・外音取り込みのレベルの高さ、元気なサウンドに各種便利機能を搭載して、定価が5万弱。一応、最安値だと37,000円ほどになっています。

使っていて満足度はあるし、軽くて使い心地も良い。しかし、想定していたほどではなかったというか、どうも”突き抜けた感じ”がない。そんなにお金があるわけではないので、他の同価格帯のヘッドホンを知らないのですが、たぶん音質なら他社製品の方が勝る可能性が。実際、先ほど掲載したワタナベカズマサさんは、音質ならばゼンハイザーのMomentum 4 Wirelessを推しています。
正直、もうちょっと音質は頑張ってほしかったなぁ。おお、これが5万円近いヘッドホンの音か!とはならなかった。何度も書いてますけど、低音を強調させすぎている。他の音域の解像度も十分高いので、なおさら残念。もう少し調和させていたら、良いサウンドになったと思うんですけどね。
自分は使っていないので何とも言えませんが、前作のXM4でも十分だ、という声も。実際、約4,000円ほど安くなっていますし、向こうは折りたためる機構がありますからね。一応、XM5のケースもコンパクトになるとは言えど、やはり携帯性ならXM4の方が勝るのかな。

何か、うーん……?となる商品ですね。”Headphones”というアプリを使えばもっと細かく設定できて、例えばノイズを抑えつつ人の声を拾える”ボイスフォーカス”機能が使用できます。他にも、話し始めると再生を一時的に中断してくれる”スピーク・トゥ・チャット”もありますし、イコライザーも使用可能。ヘッドホン右のタッチパネルに手をかざせば、その間だけ外音を取り込める”クイックアテンションモード”もあり、本当に便利ではある。ただ、どうも”突き抜けた感じ”がない。NCや外音取り込みは素晴らしいのですが、音質がね……。これが例えば、めちゃくちゃ高音に特化していたり、とにかくフラット気味であったりすれば、ある種の個性として受け入れられたと思うのです。ただ、そういうものでもなく。テクノ系はイコライザーいじった方が音の尖った感じが表現されるので、その辺はいじらなくても再現できてた1000Xの方が良いのかなぁ、と。
もう少し使っていけば、評価も変わるのかなと思います。音質は個人の主観や好みもあるので、後から感覚が変わることもあるでしょうし。まぁ、総合的にはXM5で十分なので、1000Xは友人や親に譲ろうかな、と。しかし、これから先のWHシリーズ、どうなるのでしょうかね。NC、まだ進化するんでしょうか。もう十分だと思ってしまうのですが……。

ここまでお読みいただきありがとうございました。もし気になっている人の参考になれば幸いです。