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これはすごいぞ……/final”ZE3000”を二か月使用したレビュー

実は、3月で30歳になりました。いよいよ来るところまで来たか、という思いです。三十代、進める限り進んでいきたいと思います。

話は変わりまして。友達の誕生日に、ちょっと高めのワイヤレスイヤホンをプレゼントしました。無職だった時期からずっと世話になっていたし、お互いに三十路だから、良いものを使ってみてほしいなと思いまして。ノイズキャンセリング・外音取り込み機能付きで、aptX Adaptiveにも対応。後日ご飯を食べに行った時には、「あれは本当にいい」と褒めてもらえました。よかったよかった。
しかし、同時に自分にも邪な想いが芽生えました。「俺も良いイヤホンで音楽を聴きてえ」と。何度も便利だと喧伝してましたが、さすがにダイソーの完全ワイヤレスイヤホンだと音楽を聴くのはつらい。どうイコライザをいじっても、解像度まではどうにもならないので……。ソニーの沼にほとんど両足つっこんでいる自分にとっては、”WF-1000XM4”が脳裏をよぎりました。

ノイズキャンセリングは最高峰だし、マルチペアリングにも対応してるし。持ってるヘッドホンもソニーなので、馴染みのある音を楽しめるんだろうなぁ、と。ただ、それでいいのか?と。冒険してみたくはないか?と。もう30歳にもなって、ずっと予防線だけ張っていていいのか?これまでと違ったものを使ってみたっていいんじゃないか?と。……すいません、嘘をつきました。そんなに悩んでません。
いろいろ気になって調べてみたところ、目についたのが、今回紹介するfinalの”ZE3000”。これがかなり良いイヤホンでして……。

・外観と値段

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白と黒があり、後者を選択したのですが。ケースもイヤホンもシックなデザインで、傷がつきにくい(ついても分かりにくい)加工。3回ほど装着途中で手をすべらせて落としてるのですが、特に汚れ等はありません。

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開封時はこんな感じ。「おお……おお……」と変な感嘆の声をあげながら、開封作業をやっておりました。何せ、1万円以上の価格帯のイヤホンを買うのが初めてなもので……。

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TWS(※完全分離ワイヤレスイヤホンのこと)にしてはなかなか独特の形状だと思うのですが、それでも小さい自分の耳にしっかり入る大きさ。付属のイヤーピースのホールドする力が強いのか、普段使いでは耳から落ちることはありません。
こちらの商品、ヨドバシカメラでポイント利用をしたのもあり、15,000円で購入できました。

・音質など

ZE3000は最新のコーデックであるaptX adaptiveに対応。残念ながら、使える端末を持っていないので、試すことができませんでしたが……。ただ、aptXはスマホ”Xperia XZ1”やウォークマン”NW-A25”でも使用可能だったので、そちらで使ってみました。

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ちゃんとaptXになってますね。
実際に聴いてみると……こんなにフラットなの!?とビックリしたほど、全般的に鳴らしながらも、どの音域も強く主張することがない。このイヤホンを購入する前にレビューやブログを探していたのですが、とあるコメントで「ソニーよりもフラットな音」と見かけました。本当にその通りだと思います。物は違いますが、ソニーのヘッドホン”MDR-1000X”と聴き比べると、ソニーは全般的に鳴らしながらも、音の輪郭は柔らかめで調和を取っている。しかし、こちらは音の輪郭をしっかり残しつつ、全般的に鳴らしている。あくまで個人的感覚ですが、ボーカルの声がより子細に聞こえる気がします。ちょっと低音は弱めなのですが、許容範囲内。どこまでも忠実に音を再現するイヤホン、と言えばいいでしょうか。ワイヤレスイヤホンなのに、こんなにしっかり音が聴こえるんだなぁ、と驚きました。ただ、逆に言えば、よりきれいな高音が聴きたい!しっかり低音を鳴らしているイヤホンがいい!という人には向かないものとも言えます。
Bluetoothは5.2。マイクがついているため、スマホの接続のみではありますが通話が可能。ノイズキャンセリングや外音取り込み機能は無し。ただ、付属イヤーピースでイヤホンを装着すると、本当に周りの音が聴こえにくくなるので、パッシブノイズキャンセリングはできていると思います。どちらかと言えば、外音取り込みはあっても良かったのかも。まぁ、値段を思えば仕方ないんですけども。
ロゴマークすぐ横の側面は、タッチでの操作に対応。曲の再生/停止や音量調節も簡単です。連続音楽再生時間は約7時間、ケース込みだと35時間にもなり、意外とバッテリーもタフ。ケースを開けるとすぐにペアリングできる”オートペアリング”機能や、片方のイヤホンをケースに戻すと自動でステレオからモノラルでの再生に切り替わる”片耳モード”もあります。

・その他の所感

finalは、エージングによる特性の変化があると考えているそうです。

>物理的な原因を証明するのは難しいのですが、私達は以下の通り考えています。振動板とコイル、コイルからの引出し線等、イヤホン、ヘッドホンには可動部分への接着工程が幾つもあります。その中には、振動板と共に動くよう、硬化後も柔軟性を持たせています。可動する接着部分が、使用と共に動きやすくなり、特性に変化をもたらしているのではないか?と。エージングによる特性の変化は僅かですが、立ち上がりや立ち下がり特性に影響を与える為、クオリティが上がったと感じるのではないかと考えています。

自分はこの辺をよく知らないので、”あってもおかしくないのかな”というスタンスですが。使い始めて2日目くらいには、固いと思った音が少し柔らかくなったように感じました。どちらかといえば慣れてそう感じるようになっただけでは?と考えておりますが、どうなんでしょうかね。個人的には、より外耳道に理想的な角度で挿入した方が、音質に良い影響を与えるんじゃないかなぁ、と。まぁ、そこまで深く考えなくてもいいんじゃないですかね。

・まとめ

自分が持っているイヤホン・ヘッドホンで一番高価なのが、上述した”MDR-1000X”なのですが。5年前に3万円ほどで購入しまして。今まで有線接続したヘッドホンで聴く音が、自身の環境下においては一番良い音なんだと思っていました。しかし、このイヤホンを日常使いしてからというもの、その考えに疑問符がつくようになりました。一番良いと思った状況で聴いても、音がふにゃふにゃしていると感じるようになってしまい、このヘッドホンの音質ってそこまでよくないんじゃない?と思うようになってしまったのです。無論、経年劣化などもあるため、仕方ない面もあるんですけども。それほどまでに、このZE3000の無骨ながら職人気質な音質に、自分がなじんでしまったのでしょう。いやはや、怖ろしい……。
ノイズキャンセリングも外音取り込みも、マルチペアリングなどもありません。しかし、「ただ良い音を聴きたい」という人には、十分選択肢に入れてもいいイヤホンだと思います。まだ2~3万円台のTWSを知らないので何とも言えませんが、音質だけなら引けを取らないのではないでしょうか。

定価15,800円。なかなかの値段ではありますが、普段使っているものより背伸びしたい、という方にはオススメできる商品です。


余談ですが、以前紹介したダイソーのTWSは母に譲りました。スマホを充電しながら、ドラマを視聴できることに喜んでおりました。

このイヤホンを使いだしてから、即座に押入れにしまったけれど、使い道ができてよかった。
しかし、これから先、ワイヤレスイヤホン沼にハマりそうで怖いですね。自重しなければ……。