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「プレイボーイ feat.藤森慎吾」の研究結果 ー現実と仮想の境界で渦巻く三面性についてー

皆さん。おはようございます。こんにちは。おやすみなさい。
ルーペです。

今回は2020年12月23日にリリースされたJUVENILEさんのアルバム「INTERWAVE」に収録されている楽曲「プレイボーイ feat.藤森慎吾」の歌詞について、たどり着いた一つの考察結果についてお話いたします。少々だらだら綴っております。お暇なタイミングでご覧ください。


またこの曲をまだお聞きになっておられない方は、こちらのリンクからどうぞ。

JUVENILE / INTERWEAVE 「プレイボーイ feat. 藤森慎吾」Official Lyric Video
https://www.youtube.com/watch?v=DrAjKT2R4Zg



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では早速。



プレイボーイ feat.藤森慎吾
編曲:JUVENILE 作詞:児玉雨子、藤森慎吾


祈る俺はプレイボーイ
笑うあなたに恋 荒れた通り雨にアーメン
一生分のキス 降らせたいNight 今夜は帰れない どうしよっか

 サビスタートのこの曲。俺は プレイボーイ。遊び人、いわゆる女たらし。
 "俺"は"あなた" に恋をした。笑う顔が可愛いらしいあなたに。
 一見普通の滑り出しだが、早くも最大の難関にぶち当たることになる。

 荒れた通り雨にアーメン。アーメンとはヘブライ語で「その通りです」、「そうでありますように」。祈っている内容が「ああーここで大雨でも降ってくんねぇかなぁ」だ。ここで立ち止まる。


祈って、いる・・・?



プレイボーイなのに? 祈るって、ちょっとうまいこと行くか大コケするかどっち傾くかわからんで~言うてるときにやる行為でっせ?プレイボーイなんてもう自信満々でブイブイ言わしてるんとちゃいまんの?雨が降った降ってないなんか、多少のムードでぐいぐいと行ってしまえばどうとでも挽回できるっしょ?

百発百中当てられるような自信がない人間は「俺プレイボーイやで」なんて自分で言えないし、そもそもなれない。プレイボーイってのは、そういうもんなんじゃないかと僕は思う。それに一生分のキスを一夜にして降らせたいというあまりの重さ。藤森さんならぬ重森さん突如出現。女を軽んじる「プレイボーイ」らしからぬ発言が立て続けに。
 次に現れる「帰れんくなったやん、どうする?」のノリでもう僕の頭からは湯気が出始めます。話についていけません。オーバーヒート頭ポッポーです。あれ?すでにもう雨降ってるの?さっき「雨降ってくれんかなあ」ってアーメンアーメンしてましたやん。え?


児玉&藤森W先生、一体どうなってんすか。ねぇ。




はい、ここで早くも意味不明、もはや分かランボルギーニ(ようするに詰み)です。
皆さんお疲れ様でした。はいさいなら。私は汽車になったので背中に石炭背負って田舎の実家にでも帰ります。シュッシュッシュッ、ポッポー_________________________








。。としてしまうとあまりにも中身薄すぎてカッスカスすぎるので、もう少し真面目に取り組むこととして、一旦、先を見てみる。一番Aメロから。

めっちゃ外はザーザー 電車止まっちゃってるが 
妄想止まらないな マジメに事故でも狙っていいかな

「外はザーザー」「電車が止まっている」。二つのキーワードを並べると、〈近年類を見ないザーザー降りの大雨により線路内に冠水が発生。安全確保のために電車が運転停止〉ということになる。
妄想〈=ホテルでのあんなことやこんなこと。エヘヘウフフ〉が止まりません。

ロマンチックも止まらないんでしょう。
もはやC-C-Bの再来です。Fu-Fu。

いやC-C-Bを語りたい訳ではないんよ。

戻ります。

事故を装って彼女をびしょ濡れにして、そのままホテルに・・・。真面目だと思われてるから、故意にやったとは絶対思われない。うん、我ながら素晴らしい計画だ、と思っているようです。彼は。

困った横顔 唇の角度 ピュアを演じるエンジェル マグダラのマリア
心の奥 探るトーク 他の野郎はできない技

横にふっと目をやると、彼女、すごく困った表情でスマホ見てる。電車が止まっているので最寄り駅まで帰れない。大雨の中、タクシーで帰る人も多いのでなかなかタクシーも捕まらない。彼女の家は少し都心から離れたあたりだ。歩くには少し遠すぎる。でも電車ですぐだから、ってことでわざわざ新宿まで遊びに来た。唇を少し嚙んで俯いている。明日特に用事もないし、横に男がいるんだからその男の家に泊めてもらうか、ホテルで一泊するかどっちかすれば良いのに、ピュアな性格の彼女はそんな大胆で失礼ともとれる行動なんてとれない、いやとれるわけがない。所説あるが、「マグダラのマリア」は正教会・カトリック教会・聖公会の聖人、イエスに非常に近い人物だったとされる。まさに精錬無垢の象徴マリアを具現化したような心を持っているからこそ、この状況でにっちもさっちもいかなくなり、困っている彼女。
ただ俺のような「プレイボーイ」にはそんな背景は関係ない。狙った女は必ずオトす。それがどんな人間であろうと、自分自身が見定め、一つになりたいと感じた女なら。彼はもう既に知っている、彼女が"そう装っている"ことを。裏の心では彼女も「この人と・・・♡」なんて思ってるのかもしれない。ただ恥ずかしくて言えないのか、実は意外とませてて、自分のような軽い男に遊ばれたくないと思っているのか。そこまではさすがに俺でもわかんねぇ。何度も言うが俺はメンタリストじゃねぇ、プレイボーイだ。そこで俺が培った能力の見せ所よ。圧倒的トーク力。こいつで彼女の心の奥をとんでもなく見透かしてやるさ。俺も忙しいんでね、遊びも「選んでする」方が賢いんだよね。きみの出方次第でこれが最高のひとときになるか、はたまた地獄の沙汰になりかけるかのどっちか、だね・・・

。。。といった具合か。すごい自信が見える。なぜ?そう、この力は他のヤツが持っていない、俺だけの、俺のために、俺の手によって仕上げられた、唯一無二の力なのだから__________


ここでサビに戻る。

祈る俺はプレイボーイ
笑うあなたに恋 荒れた通り雨にアーメン
一生分のキス 降らせたいNight 今夜は帰れない どうしよっか

一番が終わった段階で、皆さんはどう感じただろうか。私はこう感じた。

彼の「祈る」行為は、アクセントなんだ、と。


アクセント。今宵の終焉を彩る要素。己のすべてに刻まれる風景、経緯、そして彼女の顔・体つき・仕草。人は起こった事象を自身の記憶に刻み付けんとするとき、その日の印象に残っている出来事と重ねて記憶することが多いと感じる。小説によくある「あれは、夏の蒸し暑い日のことだった。」とか、大学の合格通知が来た時にいつもは絶対泣かない父親が涙して喜んでくれた、とか。そういうたわいもなさそうな印象的な出来事が重なることで、記憶が紡がれていくんだと思う。

「俺」は「彼女」を荒れた通り雨と紐づけて、一夜を共にした事を記憶に残そうとしているのではないか。


そう感じるようになった。だから「雨降ってくれたらいいなー」なのだ。
記憶に残りやすくなる。たくさんの女の子と遊びまわっている俺だからこそ、こういう記憶が欲しくなるはず。「大雨の子」でインプットされるからだ。そうなったら、「(大雨で)帰れないね、どうしよっか。」この文句でオトそう。決まりだ。

一番で、サビの最大難関を一つ理解できた。ただ、油断してはいけない。

まだ、二番が残っている。

そして先を急ごう。なにせここからがチョ―――――重要。むしろ今までの文章全部忘れ去ってもらってもいいくらい。






―――――じゃあ長々書くなよ、という声は私には聞こえません――――—







二番スタート。

まず稲妻 後からドキドキ時間差アンサー曖昧なまま
それタイプわざとやってる?wow

はいはい。妄想中ね。稲妻ビカーン!はいキター!ここで一発!

「雨凄いね。帰れないね、どうしよっか。」

でも彼女は迷ってるみたい。時間差のある答え、返事も曖昧。いいんだよ。それで。俺は分かってる。そういう優柔不断なところがかわいいじゃん。たとえそれがわざとでも。あざとくて、何が悪いの?

惚れた腫れた降った晴れたでまたフラれそう
あぁお願い女神様

そうそう、俺が惚れて、雨は降ってたけど結局上がっちゃって、俺またフラれるんだよねー。

・・・?

フラれそう?!


待て、もう一回歌詞見よう。

惚れた腫れた降った晴れたでまたフラれそう


フ、フラれそう?!また?!?!


お、おい、それじゃあ話全然変わってくるよ。フラれた経験まみれの人生ってこと??俺プレイボーイ、って言ってたやん。このトークスキル俺しか持ってねぇわwwwwとか言ってたの全部ウソなん?!えげついて。もう、あかんてそれ。
彼の「祈る」行為はアクセントなんだよ、とか難しい顔でパイプ咥えながら語ってた時間全部返してくれ。なにをペラペラグダグダ書いとったんや。穴があったら入りたい。よもやよもや。

こっから怒涛の畳みかけ。まさかまさかの急展開。
第二章スタートです。



手に汗握る駆け引き 君から聞こえるため息
固え意志くれよ 俺に誰か
ここで決まっちまうんだ生死

のっけから手汗握ってる時点でだいぶ危ない橋渡ってたんですねー、彼。すごく困った表情でスマホ見てる彼女、これ色々あって呆れられてたパターン?もうため息ついちゃってんじゃん。疲弊の汝ありけり。

硬い意思望んじゃってますし。挙句の果てに自称プレイボーイが死ぬこと考えてます。ふにゃふにゃで畳みかけんな。一番終わりの余裕どこ行った。


両手合わせ俺まるでprayer
すぐそこから君のflavor
辛えな 暗えな神様 俺に勇気をくれ今


なんとここで改めてサビの伏線回収。

自身と余裕で全身を包んでいる存在、プレイボーイが祈っているという矛盾問題は、「彼はプレイボーイじゃないという根本の否定によって崩壊する。まあ当たり前だ。慎吾さんが忘れ物をした賢吾さんに時速15kmで追いつくにはどれくらいの時間がかかりますか、という算数の問題に「賢吾さんは忘れ物をしていません」と答えるようなものだ。
そして、"自信"というオーラによる魔法が解けた時、自分のすぐ横にいるのは超絶の美女。彼女から発されるその香りは物理的なものだけにとどまらず、潜在的な"何か"を駆り立てる。それが何なのかはよく分からないんだけど。それがますます俺・・・じゃない、もう俺とか言ってる余裕はない。「僕」の焦りを誘う。焦りに駆られる「僕」の中に残っているのは、もう何もない。空っぽだ。

だから、祈る。彩りを欲する為でなく、ただ自身の力不足を神に救済してもらうために。


決めなきゃそろそろ 真夜中の覚悟
体は心の殻だ 今すぐ脱がなきゃ
揺れる様子 探るトーク
まだ肌も何も触れてない


だが、神様はそんな都合よく救済を与えてくれるほどチャラくもないし、便利なものでもない。期待むなしく、今夜も「真のプレイボーイ」になる為の試練が近づく。そのためには、真夜中であっても(というか真夜中(意味深)だからこそ)覚悟をしなければならない。だが今一つ、いざという時に決めきれない。踏み切れない。これが彼を「一人前のプレイボーイ」にすることをずっと邪魔するもの。それは彼自身もわかっている。ただいつも、そう今日も。口や仕草が思ったように動いてくれない。まさに「心の殻」となって、自身の思いを縛ってしまっている。はやくこの殻を破りたい。でも今の僕は、心もとない様子で必死に話をつなげるのが精一杯。もどかしい。


まだ肌も何も触れてない


最後に "彼女に触れてすらいない" 、という衝撃の事実が明かされる。この一言が、「彼女だけでなく、自身が抱えるジレンマの突破口にも、一歩踏み出す勇気にも触れられない、自分には何もできない」という彼の切なさも表しつつも、これまで提示された全ての展開をかっさらいリセットする衝撃。


ここで、あらためて、見方が180度変わった状態でサビに戻ってくる。

祈る俺はプレイボーイ
笑うあなたに恋 荒れた通り雨にアーメン
一生分のキス 降らせたいNight 今夜は帰れない どうしよっか

どうだろう、今この時点で、

ここまで虚しく感じる歌詞があるだろうか。


ざっくりまとめると。

祈る俺はプレイボーイ:「自分への暗示=俺はプレイボーイだ」、
笑うあなたに__________:「あなたのことが好きだけど僕は何もできない、早く雨でも降ってくれ、一緒に過ごせる時間を増やしたいんだ」、
一生分の__________:「さすがにそろそろ女の子とキスしたいんすけど・・・
今夜は帰れない_________:「このままじゃ収穫なしじゃん、恥ずかしくて帰れない・・・


・・・。


一番でのブイブイの言わせようからすれば、もう頑張ってくれ!!!と言うしかない。
だが、ここが「プレイボーイ feat.藤森慎吾」の骨格だと、私は思う。このタイミングでなら、そう断言できる。なぜなら。


冒頭サビと同じ歌詞なのに全く視点の違うラスサビ。登場人物と同じ二面性のあるサビ。これに尽きる。


曲の大まかな流れとしてはこうだ。

・ド頭のサビでなんとなく人となりを見せる
・AメロBメロでサビの裏付け→サビで再確認
・Cメロで転調、実は今までの内容が偽りだった
・DメロでCメロの裏付け

これらの流れから生み出されるこのサビが、歌い手である藤森慎吾そのものを如実に表しているからだ。世間体はチャラくて女の子に目がなく、すごく女性関係が華やかなイメージ。一方でその腹の中には「フラれたらどうしよう、嫌われたらどうしよう」という純朴で、繊細で、真面目な田舎っ子少年の心情を隠している(最近はこっちの面が方々でバレてきているのだが)。藤森慎吾という人間を手っ取り早く説明するとこうなる。(もちろん彼を構成するものはもっとあるのだが、それはまた、別のお話。)


なにせ、この「プレイボーイ」という歌は藤森慎吾のために作られており、歌詞からもそれがひしひしと伝わってくる。彼だから、これまでに感じた嬉しさ。苦しさ、苦悩、甘みを乗せて、この「俺 or 僕=プレイボーイ」に命を吹き込むことができる。



そうだ俺はプレイボーイ くれよあなたの好意
ここは台風の目の底
一瞬だけのキス 重ねたら愛
早く始めたい 永遠を


この最後の4行。ここまで読んでくれたあなたはどっちだと感じただろうか?そう、


理想像であるプレイボーイとしての「俺」の言葉なのか、それとも今この状況にうろたえている偽りのプレイボーイ、「僕」の言葉なのか??

という選択肢だ。


僕が選ぶのは、






そのどちらでもない、第三のプレイボーイ、「私」だ。



台風の目の底、その意味が示す先は、まだだれも予測できない彼の人間としての一面。彼すらもまだしっかりとは見つけていないのかもしれない。「私」と彼女は今、その入口にいる。二人で歩むその一歩である「一瞬だけのキス」によって、その新しい世界が開かれるのではないか、という話だと思う。その世界は快楽に満ちた涅槃の境地。永遠の楽園を指しているはず。




ここで、少し考えたい。
もしこの考察が合っていて、この曲に三人の「プレイボーイ」がいて、これが「藤森慎吾」のために作られたのならば、




逆に「藤森慎吾」にも「第三の人間性」があって、それをこれからお見せしますよ、と言っていることと同じなのではないか?




だとしたら、Youtube&オンラインサロン開設、ミュージカルなどの俳優業に挑戦、そして事務所退社。









彼による「一瞬だけのキス」は、もう始まっているのかもしれない。
















ーあとがきー

長文ご覧いただきありがとうございます。

改めてこの曲買いたい!と思った方、楽曲購入はこちらからどうぞ。

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作曲者のJUVENILEさん、作詞の児玉 雨子さん、そしてfeaturingボーカルとして参加した藤森慎吾さんの三人による「プレイボーイ」対談インタビュー動画も是非ご覧ください。とっても面白いです。







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