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紙片の詩。


薄く透ける光の降る夜

影だけを残して姿を消した月

ぼくの血と同じ色をした

星が沈澱していた

骨貝になったきみの

手を離してみてもいい?

(いいよ)

大きな魚の肋骨を揺籃に

羽化するぼくにはもう何もいらない

あの時のあの瞬間だから美しかった

日々はこの世界への遺言

霧散する魂は光を綯う

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