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心の「ゆとり」を生み出す、ときめき探しのすすめ。
忙しい毎日、目の前のことを慌ただしくこなすだけの日々になりがちな時ってある。ふと我に返り、あれ、なんだか最近、心にゆとりがないな、周りの人に優しく接せられてないかも。
そう思った時こそ、足の速度を少しだけ緩めて、ゆっくり周りを見渡して、自分が今いる場所を改めて認識して、実は自分の周りに既にある、心ときめくものを見つける意識を持ってみてもいいんじゃないかなって思う。
ときめきは「毎日の通り道」にある
私には、お気に入りの道がある。京都の哲学の道でもない、松尾芭蕉の奥の細道でもなんでもない、そこは、家の前の通り道。家を出た時、家に帰る時、自転車で毎日通る道。
なんでもない道、だけどたくさんの出会いがある。朝、会社に向かう時、ふと見上げた空が青くて澄んでいたら、今日もいい一日になりそうだと思える。
特別なことを普段の生活にプラスする!とか、新しいことをはじめる!とか、なにも力を入れなくてもできる。ときめきは、毎日通る道の中で見つかる。
季節の移ろいで気づく「時が進んでいる」ということ
その道を通っていると、街路樹の様相の変化から、季節の移り変わりを発見できる。まだまだ寒い時期、近くの小学校の大きな桜並木が色づき、ピンク色が加わった町の光景を見てうれしくなる。
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厚手のコートから薄手のコートに変わったころは、ピンクと白のひらひらのドレスを着たような可愛らしいシャクナゲを発見し、思わず足を止めてカメラを向ける。
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空の青色が濃くなってきたころ、赤みが強いピンク色のサルスベリの花が、駆け抜ける風に揺れている姿を見上げて、いいものを見つけた気分になる。
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太陽に照らされギラギラした世界になる夏は、植物や人からも生命力を感じる。通りすがりの子連れファミリーはお出かけの途中で楽しそうだ。この道の先にある動植物園に行くのだろう。
帰りが遅くなった夏の日の夜道、見上げた空に明るく輝く月を眺めながら帰るのが好きだ。またいいものを見つけた気分になる。写真を撮って、喜んでくれそうな人に写真を送る。
秋は目に入る全てのものが実りの最盛期を迎えるように見える。役目を果たした葉っぱたちが落葉し、次の成長に向けて冬支度を始めていく。道に落ちた枯れ葉をしゃくしゃく踏む音と踏んだ感覚が楽しい。
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冬の帰り道は18時でもほぼ闇に包まれている。見上げて月を探すけど、夏によく見た方角に月を見つけられない。周りを見渡すと、夏とは反対の方角に月はちゃんと居た。そっか地球は1年をかけて太陽の周りを公転してるんだったね。ふと自分が今いる地球と、月と、宇宙の構図に想いを馳せる。
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この道でたまに見かける「密かなファン」
この道を通っていて、たまに見かける可愛いおじいちゃんと犬のコンビがいる。この道が散歩コースのようで、朝に会ったり夜に会ったり、時間ははっきりしないけど、同じタイミングでこの道にいれば、年に2、3回出会える。偶然見かけるとうれしくてテンションがあがる、密かなファンである。
とにかくおじいちゃんが可愛い。全体的に丸いフォルムで、身なりはきちんとされている。ダックスフンドの犬の耳にはリボンがついて、見かける度に違うお洋服にはフリルが付いてるからきっと女の子なんだろう。きっと二人ともご高齢で、おじいちゃんが犬の顔を優しくほほ笑みながら覗き込み、ゆっくり歩く犬のペースに歩調を合わせている。
クリスマスの時期に見かけた時、二人のファッションチェックをしたら、おじいちゃんは半纏を羽織っていて、犬は背中に大きなボンボンが3つも付いていた。何だか少し、ださかわファッションなのもツボだ。(残念ながら二人を勝手に撮影する勇気はなく、めっちゃ見つめて残像を心に留めている)
こんな風に、なにも特別なことを普段の生活にプラスするとか、新しいことをはじめる!と力を入れなくてもできることで、自分の心のときめき(きゅん)とか、(わーい)とか、なんか気分が上がることを見つけてる。
何かと忙しく、当たり前に過ぎるように感じるかもしれない日々の中にこそ、お気に入りの場所を見つけたり、何気ないときめきに気づけるようになったりできれば、その瞬間、自分・緩めるモードに切り替わり、隙間ができ、いまの自分というものを全体的に俯瞰できる「ゆとり」が生まれるんじゃないかと思う。
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