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ジーナ式の新生児期の授乳について、助産師目線で考えてみる(その3)

二児の子育てをしている、病棟勤務助産師のいーです。

前回に引き続き、ジーナ式における母乳育児への考え方について私なりに解釈してみようと思います。
前回までの記事を読んでいない方は、その1、その2を読んでみてくださいね。

この記事では、あくまで新生児期、母乳育児が確立するまでの時期について考察しています。
今回は、
⑥入眠の癖と授乳
⑦生後すぐからのジーナ式について
を考えていきたいと思います。


⑥早くから入眠と授乳の癖づけを防ぐ

赤ちゃんがよく眠らない本当の理由は、「授乳」「ゆらゆら抱っこ」「背中をトントン叩く」などの行為を睡眠と関連付けてしまったせいなのです。

カリスマ・ナニーが教える 赤ちゃんとおかあさんの快眠講座 改訂版 p.118

ここはいわゆる「ネントレ」に繋がる、「入眠時の癖」に関する記述です。 ただ、入眠の癖がつくのは、5-6ヶ月頃からと言われていて、ここに関しては正直、「時期による」というのが正しいと思います。

低月齢は「寝るのも下手」なので、ある程度の寝かしつけの介入が必要なことも多いです。 そのため、抱っこで寝落ち、授乳で寝落ち、でしか寝ない!という時があっても全然問題ないし、むしろ自然だと思います。

ただ、難しいのは、癖がつくのも5ヶ月になったから急につく!という訳ではなく、グラデーションで徐々に癖になりやすくなるということです。
親の方も、急にセルフねんねさせようにもやり方分からない!となることが多いと思います。
なので早めから「入眠と授乳や抱っことの癖をつけない」ようにするのを、ジーナさんはとても大事にしている印象です。

個人の考えとしては(睡眠コンサルで学んだことも含めると)
・低月齢は寝かしつけ方にはこだわり過ぎず、母子ができる時に一人で寝る練習をする(1日に1回など)
・月齢に合わせて徐々に介入を減らしてひとりで寝付ける練習をする
・どうしても入眠の癖がついてしまったら(別に悪いことではなくよくある、自然な事だと思います)、6ヶ月以上になってからネントレで癖を取ってあげる
が良いかなと思います!

⑦生後すぐからのジーナ式について

スケジュールを始める前にまず次の項目を読んで、3時間おきの授乳から「1~2週目のスケジュール」に移行できるかどうかをチェックしてください。

□出生体重まで戻った。
□授乳間隔が3時間空いても平気(3時間はそれぞれの授乳の開始時間から計る。つまり、授乳に1時間かかった場合は、そこから次の授乳までは2時間ということになる)。
□授乳間隔が空いても大丈夫な兆候がある──授乳のために起こさなければいけないことが多い。
□授乳後しばらくの間は機嫌よく目を覚ましていられる。
赤ちゃんが右のチェックリストをすべてクリアしている場合は、自信をもって1~2週目のスケジュールに進んでください。

カリスマ・ナニーが教える 赤ちゃんとおかあさんの快眠講座 改訂版 p.199

ここは、生後すぐからジーナ式を取り入れたい人は、絶ッ対に読み込むべきページです。 ここは絶対にスルーしちゃいけない。
ここがまだ上手くいってない時期は、まだ母乳分泌を軌道に乗せるべき大切な期間なので、3時間以内での頻回な授乳をおすすめします。

まず1つ目、 □出生体重まで戻った について。
一般的に出生体重に戻るのは10日から2週間程度(個人差あり)かかります。 なので、生後1週間でジーナ式スケジュールを始められる人はまず居ないと思って大丈夫です。 体重戻るまではスケジュールに囚われず授乳してOKです。というより、ジーナさんもそれを推奨していると思われます。

2つ目、□授乳間隔が3時間空いても平気 について。
ここ!3時間空いても「平気」!です!
平気じゃない赤ちゃんに無理に授乳間隔や昼寝時間を強制することをジーナさんは推奨してないです。 なので、3時間空かない場合は、自信を持って頻回授乳をされるのをおすすめします。

この辺りからも、ジーナさんがいかに母乳育児を大切にしてるかを感じます。 このチェックリストがクリアしないまま、無理にスケジュールに乗せようとミルクを足していくと、母乳育児は軌道に乗りにくくなるのかなと思います(それが悪い訳ではなくて、母乳頑張りたいと思ってたのに出来なくなるリスクがあるの意)。

「母乳育児を続けたい」、「できれば母乳メインの混合授乳がしたい」と考えている場合は、ぜひまずは母乳分泌のための頻回授乳を自信を持ってしてみてください。


以上が私なりのジーナ式における母乳育児の考え方です。かなり意訳していますし、ジーナさんの本当の考えとは違う点もあるかもしれません。
ただ、ジーナさんは母乳育児推進派だと個人的に感じています。そして母乳育児は母にも子にも良いことは多くあります。少しでも母乳育児を頑張りたいと思っている方は、ジーナ式をするからといって諦めて欲しくないなと思っています。

ジーナ式を実践するママたちも、スムーズに母乳育児を軌道にのせられることを願っています。

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