『スーツケース』#201

先の2つはペア記事のように初めと終わりをシンクロさせて書いた。今回は蛇足のような、スーツケースの話。
スーツを入れて運んだこと無いようなそんな大人になってはいるけれどそれでも「スーツケース」と言われればあの、海外映画でなら洒落た紳士が片手で持つ革製のバッグで例えば映画ターミナルならトムハンクスがパンパンにして持っているあのカバンであって、あるいは空港でガラガラと音を立ててフロアを各人が転がしているトローリーケースであって、決して一様では無いけれどとにかく、衣類や化粧品やはたまた靴までをピシッと入れて旅行に出られる四角く硬いカバンそれのことと多くの人に想像されるものではなかろうか。
大人の階段の1つとして、憧れのアイテムの1つだ。もしかしたら男性だけにも限るかもしれないが前掲の、海外映画で出てくるような年季の入った革製のスーツケースは紳士の嗜みとして非常にカッコよく目に映る。観ながら毎回思うことだが、確実にアレは持ち運びが大変、これは間違いないだろうと思ってる、思ってるんだけど、カッコいいからどうにも憧れる気持ちは止まない。同じく海外映画、ときどき目にするシーンだが、女性が持つスーツケースが荷物パンパンでかなり重いようすで、ターミナル駅の階段や電車の乗り降りで苦心するシーン、あれを見るたびに、「これは男性の筋力で使うものなんだろうな」と思う。そういう映画ではだいたい、そのスーツケースは大きい。女性が両手で、身体をうんと横に傾けながら持っても底が足首くらいまでしか上がってなかったりする。「父のスーツケースを使って遠出」このパターンがしばしばだ。大荷物が入れられる、そのぶん当然重い。だから、キャスターのついたトローリーケースができたのだろう。
大人の嗜みのスーツケース、私自身は革張りのあのタイプは当然持っていない(なにせ身長が足りない)し、トローリーケースの方も持っていない。なんでここまで文章を書いたのだろうと思われるだろうし自分でもそう思う。ただ、リュックサックとトートバッグの2本をカバンネタと定型文でリンクさせて書いておきながら次でまったく別の話を展開してしまうのが気持ち悪かった。こぼれた話をスーツケースで拾って、200番台を進んでいく。

#スーツケース #180707

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