『風』#202

サカナクションは「多分、風」という凄まじく口語的なタイトルで楽曲を作った。高校生卒業までに習った理科の類いで、最終的にもいまひとつ納得がいかない「自然現象⇄科学理論」の関係のひとつ。風。ちなみに、ベストオブ納得がいかない「自然現象⇄科学理論」関係性は、縦波(疎密波)と横波との違いで水面の波は縦波であるということ。わかるような気がしつつ納得までは至らない、という感じで。
風は、換気扇とか扇風機とか、ファンを動かして機械的に気流を生み出すその現象は、納得がいく。ただ、広く地球上でふとしたときに道端で吹く風や、窓からふわふわっと入ってくる風、その出どころを思うとどこまでも脳がドライブして回転加速して次第に過熱でショートしてしまう。現象とその結果で起こる室内外の圧力差とその平衡状態についても理解と納得はできるし、トイレの換気扇で戸外に風を送り出した結果、室内が負圧になって出入口のアンダーカットとかから新しい空気が室内に取り込まれるそのフローもわかる。ただ、だ。上空の低気圧と高気圧それら気圧差に加えて、地球の自転でうまれる偏西風、これが難しい。地上の気圧が周囲より高いか低いか、それによって大気が流動する、それで、室内の気圧が高い低いってのは、戸外の空気との入れ替えでイメージがつく。しかし、大気の圧が、外部で、高い低いってのは、空気がどっちにどう動くんや?と。
そもそも、物理におけるベクトル、力学がすごく難しかった記憶がある。モーメントと、作用点と力点、外力が加わる矢印の始点と終点、合力、大気圧の作用点、、いま思い返しても難しかったし自信があまり無い。建築の構造力学を学んでからは力の作用と現象がいくらか結びついて、モーメントと合力ら外力の矢印はよくわかった。ただ、風、気圧差で生じる、開放された外気の対流、これが難しい。
風は風であって、吹けば吹く、そんな受け止め方でもいいのかもしれない。
ただ、そこですんなりと「まあいいか」とならないのは、一応の知的好奇心と諦めの悪さとして自分で受け止めてはおくしそうでありたいと思うからつまり堂々巡り。
偏西風も、回っているのだろうか。地球をぐるっと、日本からユーラシア大陸をまたぎアメリカへ達してまた、太平洋を渡って戻って来るのだろうか。人間の細胞は動的平衡として常に入れ替わり続けるが、風は果たして。

#風 #180708

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